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カテゴリ:博物館
2021年の開業から3年。小田急のロマンスカーミュージアムに初めて行ってきました。私鉄のミュージアムとしてはかなりの規模で、大宮、名古屋、京都の3大鉄道博物館に次ぐ内容になるのではと見ていましたが、結構楽しめる施設です。撮ってきた写真が多くあり、1回ではなく、複数回に分けて取り上げていきたいと思います。 ロマンスカーミュージアムは、小田急の海老名車庫の一部を施設化して新規に整備をしたもので、アクセスも良好。新宿から40分、横浜から約30分で、小田急、相鉄、JR相模線の海老名駅からすぐのところにあります。ミュージアム周辺は開発が進んでいて、スーパーや飲食店、ホテルなども並ぶようになりました。ロゴは現在のロマンスカーの主力、70000系GSE(Graceful Super Express)を模したものです。 エントランスをくぐり、エスカレーターで1階に下りると、小田原急行電鉄時代の1形が保存されています。小田急の歴史が始まったのはここから。100年前の車両が見られるのは貴重です。 1形の車内。普段は中には入れないので外から撮影をしたものです。車内はフォトウエディングや挙式のときには特別に入って挙げられるようになっています。 1形の手ブレーキもきれいな状態で展示。 種別板や方向板も半世紀以上前のものですが、使える状態に保存されています。 ミュージアムのウリはこれ。歴代のロマンスカーが保存されている展示室です。これを見るだけでも十分にお金を払う価値があるほど貴重なもので、整備もしっかりと行き届いています。 2代目ロマンスカーのNSE(New Super Express)。フォトウエディングのときにはこの車両の前に赤い絨毯が敷かれ、特別感をもった撮影ができるとのことです。 勿論、ロマンスカーのパイオニア、初代SE(Super Express)も展示。ロマンスカーの歴史は実質的にこの車両から始まりました。当時の国鉄車を凌駕する高速性能と設備をもって登場。国鉄に貸し出されて高速度試験にも使われるなど、新幹線のルーツとなった車両とも言われます。 また、車体や内装、機器類に至るまで徹底的な軽量化を図るなど、今の車両設計に通ずる画期的なアイデアや技術がふんだんに採り入れられていて、復刻して今の路線で走らせたら現役の車両以上に走りそうなほど先進的な特急車でした。SEは後の鉄道に大きな影響を与えた車両として、日本機械学会から機械遺産の認定を受けています。 後から見たSEとNSEは晩年の形態をそのまま残していて、SEは8両から5両に短縮されたときにSSE(Short Super Express)と名称が変更されました。5連化されてからは、御殿場線に乗り入れる急行「あさぎり」に転用され、1992年まで走りました。あさぎりは現在は「ふじさん」と名称が変わり、新宿~御殿場間で60000系MSE(Multi Super Express)によって運用されています。NSEは2000年まで現役で活躍し、ミュージアム以外にも先頭車が1両、開成駅前に屋外保存されています。 SEの後継車であるNSEでも高速化と乗り心地にはこだわって設計されていて、その腐心の跡が伺えます。写真はNSEに搭載された住友金属(現日本製鉄)製のミンデンドイツ台車です。 SEの車内。引退前の最晩年の内装ですが、当時は特急として国鉄車よりも破格のグレードを誇っていました。 こちらはNSEの車内。シートはリクライニングはしないのですが、SEのシートを見直し、着座時のホールディングを改良したものが使われていました。連続形の車内照明は、現代でも通用するモダンなものです。 NSEのビュッフェを外から撮影したものです。小田急のロマンスカーは「走る喫茶室」の異名を持ち、車内で軽食や飲み物を楽しめるのがサービスの最大の特徴でした。全盛期には家族連れの利用も相当あり、子どもたちにとってロマンスカーに乗ることは身近なステータスでもあったんですよね(^^)。 残りのロマンスカーと他の施設については続編で。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.12 21:16:09
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