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カテゴリ:JR東日本のってたのしい列車
列車は鶴岡を発車すると、村上までは日本海縦貫線の中でも風光明媚な区間を走ります。この区間で楽しめるのが、イタリアンドルチェを軸とした軽食。復路では、鶴岡市内にお店を構えるアル・ケッチァーノの奥田政行シェフが手掛ける料理が提供されます。奥田シェフは国内随一のイタリアンの重鎮で、スイスのダボス会議で料理の総監修を務めるなど、世界的な料理人の一人に数えられている方です。お店の名前はイタリア語から採っているかと思いきや、実は庄内弁なのです。「うめもんあるけっちゃーのぉ」。 その「うめもん」はこのダイニングカーで食べられます。この日は2人ボックスが1人で使えたのでラッキーでした。 ランチョンマットは運行区間と停車駅がプリントアウトされたもの。これに当日のメニューとミネラルウォーター、グラス、食器、おしぼりがセッティングされます。ミネラルウォーターやコースターは持ち帰りが出来ます。 鶴岡を出ると、ウェルカムドリンクのオーダーを取りにきてくれます。ドリンクは上記のメニューから選択。ノンアルコールもあるので、ファミリーでの利用も安心です。 実は健康診断が夏休み明けにあることから、アルコールは控えてたのですが、折角の機会。料理に合わせて1杯だけ赤ワインをチョイスしました。ワインは赤、白共に奥田シェフがセレクトしたものが飲めます。ミネラルウォーターはチェイサーとして活用。 足りない場合は有料で追加を頼めます。日本酒の〆張鶴は、越乃Shu*Kuraでも味わえる1杯。 乗車時のメニューです。前半はアル・ケッチァーノの料理でお腹を満足させた後、後半に別腹のドルチェが来る内容です。ドルチェはメニューを見たら分かりますが、伊予灘ものがたりの道後編並みに多種のスイーツが供されます。 料理は3品。左からパスタ、魚、肉と量はそんなに多くはないですが、結構腹持ちのよい料理が続きます。トルテリーニは豚とハムの旨味が凝縮した飽きのこない味で、赤ワインのチョイスで正解でした(^~^)。鱒は身の低温調理と骨の高温調理を組み合わせて調製がされていて、骨まで柔らかく全部しっかりと味わえます。この鱒は宇宙食としてJAXAに提供実績があり、宇宙飛行士のカルシウム補給をねらいとして作ったとか。そして山形牛のトマト煮込み。セロリのクセがなく、まろやかな味でした。これはホンマ、ワインの進む味で野菜嫌いの子どもたちも食べられる逸品です。野菜が脇役として肉の味を引き立てていますから、これだけでも乗って食べる価値は十分。奥田シェフの技量を感じ取ることができます。 料理の後は上のドルチェが続きます。季節のフルーツを入れて7品。一番右のだだちゃ豆のロールケーキはグルテンフリーで、小麦アレルギーの方も安心して食べられます。甘さの中にだだちゃ豆のコクがアクセントとして映えるあっさりながらも濃厚感があるケーキです。スコーンはブラックベリーソースにつけると、酸味の効いた爽やかな味が楽しめます。季節のフルーツはキウイの他、佐藤錦(さくらんぼ)が出てきました。上品な甘味はさすが(^~^)。パウンドケーキやマカロン、チョコレートクッキーも◎。フルーツタルトは、ピスタチオが入った食べ応えのある一品でした。 鶴岡からあつみ温泉までは、庄内平野を見ながら走ります。田園風景を眺めながらの食事、乙なものです。 食後はコーヒーもしくはあるけっ茶がサーブされます。あるけっ茶は紅茶と緑茶の中間的な味で、渋みが控えめですが口がさっぱりします。厳密には紅茶ですが、紅茶とは一線を画した独特の味わい。喫茶店で飲めないレアなお茶なのです。 ドルチェはアル・ケッチァーノのスイーツ部門であるファリナモーレというお店が手掛けています。これも奥田シェフのプロデュースしたお店で、前回、散策をしたフーデェヴァーの一角にあります。食事の前だったので利用はパスしましたが、往路で山形や仙台に向かう高速バスの乗り継ぎを待つ間やお土産を買うときに使われるとよいでしょう。他にも、乗車券と指定券で乗る場合、車内での軽食やおやつとしても最適です。 ファリナモーレはマカロンやクッキーなどが手頃な価格で楽しめますが、お土産として面白いのは長尺のフォカッチャが買える点です。これはユニークで管理人もそそられました(^~^)。翌日の帰省だったら買いましたけどねえ~。 アル・ケッチアーノのボックス、掛け値なしの「うめもん」でした。おやつの時間としてはボリューミーな内容ですので、お昼は少し控えめに摂取してください。料理(Cucina)とドルチェの後は次の長時間停車スポット、桑川の様子についてです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.07 22:23:28
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