小倉総合車両センター一般公開(2024)#1
一昨年からの恒例行事になりました小倉工場の一般公開。今年も行ってきました。ただ、例年とは違うのが有料の区域が新たに設けられたこと、水戸岡さんの鉄道ランドが同じく有料で公開になったことです。小倉工場は報道でもご存じの通り7年後を目途に移転することが決定していて、東に約3km離れたJR貨物の東小倉駅ヤード付近に設けられます。JRが発足して間もない頃にカートレインが発着していた駅なんですよね。移転後はどうなるかは未定ですが、歴史ある工場も見納めになるので、しっかりと今年は楽しんできた記録です。当日の小倉工場は晴天に恵まれました。旅行商品で直接小倉駅から列車で入れる先行入場のプランはさすが、人気が高かったです。写真は10時少し過ぎてからの様子です。開門前にはかなりの行列になっていました。入場時には音楽隊によるハイファイセットの浪漫鉄道(JR九州社歌)の演奏も。これ、初めて見ました。ゆふいんの森塗装のホンダステップワゴンです。内装も実車に使われているモケットが張られています。社用車として使っているのだろうと見ています。当日は予定が一部変更になり、急遽石炭かき氷が販売されました。購入者にはもれなく本物の石炭のプレゼントありと鉄道イベントらしい一品になっています。実際に使うとなると、ペーパーウエイトとして用いる方が実用的ですね。今回は有料施設の一部として、鉄道ランドに入ってきました。1500円かかりましたが、旅行商品で入ると費用はもっといくので、1回限りであれば、何とか出せるかなという値段です。入口の暖簾は、九州新幹線の800系にも使われている八代産のいぐさで編まれたものです。鉄道ランドの奥には、ドーンデザイン研究所のオフィスがあります。見慣れたデザインですが、JR九州の車両に使われているものと考えるとピンとくると思います。オフィス内のロッカーには、量産車が出る前の試作品や試作の部品が置かれていました。リニューアル化でもう使われていないパーツもあるため、ホンマに貴重です。こちらは応接間、実は一般公開の当日、水戸岡さん本人が来ていました。鉄道ランドに入ってからしばらくして気付きましたが、車両センターの副所長さんとお話することができ、そのときに改めて教えてくれて確認することができました。勿論、写真を一緒に撮ってもらいましたが、これはすみません。非公開です。その代わりとして、入口に設けられているグリーティングを。水戸岡さんは鉄道デザイナーとしてのイメージが強いですが、元々は建築のデザインなど一般的な施設のデザインからキャリアをスタートさせているのです。「デザイナーは公僕であれ。」との言葉を述べていますが、公共性が求められる仕事であることを強く意識した発言だと捉えています。これはJR九州の車両デザインについての系統樹です。35年間で創り出した集大成とも言えます。初めに手掛けたのはキハ58を改造したアクアエクスプレス。香椎線の博多~西戸崎間直通快速に主に使われた車両で、これがJR九州での水戸岡さんの処女作になっています。乗ったことはなかったですが、これがアクアエクスプレスの車内です。香椎線は現在は海の中道やマリンワールドへ行く観光客や行楽客のアクセス路線として新たな機能を持つようになりました。いずれはタワーマンションが建設ラッシュの照葉地区(アイランドシティ)への裏ルートとしての顔を持つことになるかも。鉄道ランド内には、博多駅や大分駅でも見られるようなミニトレインが。ここにもありました、ミニトレイン。これは子供向けの和室、茶室になっています。どちらかと言えば、子どもたちが楽しめる施設なんですよね。室内はこのようになってますが、和の雰囲気に加えどことなくオランダ調の雰囲気も。このボールプールはあそぼーい!の車内にも採用されています。水戸岡さんの車両デザインをする際のスケッチがまとめられています。787系のデザイン、これフランス国鉄のBB型電気機関車によく似ているんですが、着想はこういったものも入っていたと思うとびっくりですね。そしてさらにサプライズは、ななつ星の車内音楽やKBC(九州朝日放送)の朝の情報番組、アサデス。の天気予報でお馴染みになったバイオリニストの大迫淳英さんが来て生演奏を披露してくれたことです。これは驚きました!ななつ星の車内をそのまま持ち込んだ立体感のあるゴージャスな演奏は、太っ腹でした。3時間ものぶっ続けの演奏、大変だったと思います。途中、子どもたちへのファンサービスとして夢を叶えてドラえもんやさんぽなどの演奏も。Monsieur, merci!!今年の小倉工場はまだまだネタがありますので、あと1~2回皆様お付き合いください(^^)。