沖縄日和、改め四十路目前のゆるい日常

木、金と、東フィルの定期公演へ行ってきました。
ソリストは、アレクサンドル・メルニコフ

木のプログラム
プロコフィエフ　ピアノ協奏曲2番ト短調作品１６
アンコール
プロコフィエフ　つかの間の幻影？だったかな小品弾いてました。
ベートーベン　交響曲第6番へ長調「田園」作品６８

金のプログラム
プロコフィエフ　ピアノ協奏曲2番ト短調作品１６
アンコール
スクリャービン　詩曲　嬰ヘ長調作品３２の１
チャイコフスキー　交響曲第4番へ短調作品３６

感想として、
プロコは良かったです。マエストロもソリストもロシアの人だし...
私のプロコのイメージって前衛、破壊的、暗い。
でもそんなことなく、特に1楽章はかなりロマンティックだし、確かに私には意味不
明な雄叫びというか、内なる叫びというのか、やっぱり破壊的。若さゆえの...みた
いなのがあるんですが、坂本龍一っぽかったり、大河ドラマのBGM風だったり、その
当時は前衛だったりしたけれど、現代音楽や、劇音楽にすごく影響していると思われ
るフレーズが盛りだくさんでした。
このピアノ協奏曲若かりし作品ですが、自身の作品、ピーターと狼や、ロミオとジュ
リエットの片鱗をイメージするところもありました。
（プロコとの最初の出会いは子供のクラッシクっていうレコードのピーターと狼のお
話つき音楽です）
ただ、ピアニストやオケとしてテクニックを見せるのには素晴らしい音楽なんだけれ
ど、日本人には特に理解しづらいのではと思いました。
ベートーベンの田園は、これまた物議をかもしだしそうな演奏でして、田園と言え
ば、その風景をイメージし、音楽に身をゆだねていれば心地よいと思うのですが、今
回の演奏は全く違う。風景をイメージするより、交響曲としての構成を突き詰めたと
言うか、プレ様の音楽哲学を提示されたような...
悩ましい音楽。聴いていて、各楽器の絡み合いとかそれによる立体感とか、そういう
ことの発見がありました。勉強になりました。
その反面、音楽に身をゆだねて心地よい気分になりたかった期待は裏切られ、大きな
宿題を渡された感じもしました。
（実際帰りに、結構怒っている人がいて、これも珍しいことだと思うのだけれど。
疲れてきてるのにもっとまともな演奏しろと、落書きしている人が...ここまで怒っ
ているところを見ると、オケに個人的な恨みでもあるのでは、と勘繰りたくなるが、
確かに、アルファー波は出てこなかったかな。緊張しまくり。）
チャイコは良かったと思います。
曲も良い曲だし。私はこの曲初めて聞いたけど、バイオリンとか結構変わっていたけ
ど面白かったです。
（こんなのはじめてみた～。でも面白くてなかなかいいよね。と言って帰っている人
もいたし...）
プレ様曰く、「クラッシックを生で何度も聴きにくるのは、新しい発見をしたいから
ではないか。そうでなければ、家にいたほうが良いでしょう。」「演奏者は楽譜を通
して作品に秘められた潜在力を見つけそれをもっとも輝かしく聞かせる音にしなくて
はならない」だそうです。
他人の真似はしたくない。そんな時間は自分にはない。とも昔のインタビューにあっ
たし...

私は、大きな宿題を出され途方にくれています。
音楽の楽しさや自分の感性以上に、奥深さや、オケの規律を勉強しないとなかなか音
楽を理解したり表現したりできるようにはならないな。と思いました。
ピアノのアンコールはどちらもとっても素敵でした。