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カテゴリ:読書
最近、池波正太郎の「剣客商売」シリーズにのめり込んでいます。
このシリーズは昭和48年に新潮社より刊行されたものですが、主人公の白髪老人・秋山小兵衛が社会の悪を次々となぎ倒す痛快時代小説であり、現代社会の構造にも通じるところが多くあります。 作家池波正太郎先生の作品ははじめて読みました。先生の筆致は軽妙で、それでいて時代の裏をえぐる爽快さを感じさせます。 60歳を過ぎた小兵衛の剣さばきはいまだ衰えることなく、寸分のくるいもなく相手を刺殺するところなどは、自分の年齢と重ね合わせて考えるてみると、ちょっと現実離れしているような気もします。それも羨ましくさえ感じます。同年代への憧れとでも言いましょうか。 町の一介の剣客人が悪を退治することで、老中田沼意次(おきつぐ)からその支援金を受け取ることになる。その金の使い途もうまい。自分の生活の一部に使うことなく、手足のように動いてもらう岡っ引きなどに渡し、自分のあごのように使う。 まるで現金の亡者として世を汚す現代人を揶揄するような、そんな秋山小兵衛の生き方にも羨ましさを感じます。 悪者を退治するストーリーは、水戸の黄門様みたいに痛快なんです。娯楽とはいえ、のめりこんでしまうんです。時代小説というとその時代の考察や背景のなかで、小難しい言葉を並べ立ていっそう難しい小説に仕立て上げていますが、池波小説にはそれがないんです。季節を感じさせる情景や登場人物の心理描写など、表現力の希薄なブロガー(自分)にとってものすごく参考になります。 剣客商売シリーズ「剣客商売」「辻斬り」「陽炎の男」を読み終えました。全16巻あるようですが、勢いで全巻読破したいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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