意外な展開にびっくり!
さて、思い切った事を言って、三吉を学校に送りだしたものの、一体どうなったか、さすがの私も、その日は気が気ではありませんでした。いつ、学校から連絡が入るか、もしほんとに大怪我させたらどうしようとか、色々考えて落ち着きませんでした。夕方、仕事から帰ると、急いで三吉に、「どうや、やっつけたか?」と、ドキドキしながら聞きました。すると、三吉は、けろっとした顔で、「今日は,たたいてきはらへんかったから,やり返しせえへんかったわ。」あらら、そうだったの...。肩透かしをくらったみたいでいると、担任の先生から電話がかかってきました。「お母さんからの連絡帳を読みまして、私も、三吉くんに(やり返しを)やっていいよって言ったんです。」えぇ~、先生、そっ、それは言ってもいいのかなぁ...。正直そんな返事が返ってくるとは思ってもいませんでした。良くて、せいぜい黙認か、本当に私の責任でとなるか、悪ければ、親がそんなこと勧めるなんて!と呼び出しくらうかな、なんて思ってたんですけどね。きっと先生もどうしたらいいのか悩んで、でもいい解決方法がみつからないまま、ここまで来られたから、私の考えに同意してしまわれたのでしょう。でも、三吉にとっては、これほど心強いことはなかったと思います。だって、先生に怒られるのがとにかくいやで、我慢していたのですから。その先生が、母と同じように、やり返してもいいと言ってくれたのです。おそらくその時点で、かなりりゅう飲は下がったと思います。しかも今後やられた時に、やり返しても、絶対に先生に怒られないお墨付きをもらったのですから、いつでも堂々とやり返しができるという余裕もできました。それから、結局どうなったか。三吉の言うには、何度かやられたけど、やり返しできるようになり、逆に相手の方が泣きそうになったら手を引いて逃げて行くようになったと言うことです。こうして三吉は、その後学校を休むことなく、無事1年生の終業式を迎えることができたのでした。とりあえず、めでたしめでたし。