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カテゴリ:なな猫家の猫たち+保護猫物語
なな猫ホームで、ほぼ1年を過ごした元野良猫がいます。
2008年の11月に保護されて我が家に来た、三毛猫のあやめちゃんです。 そのあやめちゃんが、今日、新しい飼い主さんのところにもらわれて行きました。 あやめちゃんの物語、 よかったら読んでください。 あやめちゃんは、目黒の繁華街で産まれた野良猫でした。 母猫の飼い主は、4年ほど前のある日、 数匹の飼い猫たちを路上に捨てて、引っ越していきました。 それまで、屋根の下で暮らしていた猫たちがいきなり路上に放り出され どんなに怖く、悲しかったことでしょう。 その猫たちは近隣の地域猫ボランティアの人たちにより 地域猫として世話されることになりました。 そして、避妊が間に合わなかった猫たちが子供を産んだ、 あやめちゃんは、そんな母猫から産まれた子猫でした。 3年間、猫好きの焼鳥屋のおばさんたちに養われて あやめちゃんは目黒の繁華街で生きてきましたが 2008年の秋、そのおばさんも立ち退く必要が生じ あやめちゃんはなな猫ホームでお預かりすることになりました。 避妊、血液検査、ワクチン、駆虫、のみ駆除、耳ダニ検査、爪切り、 ボランティアさんの身銭を切った世話により あやめちゃんが我が家にやってきました。 2008年、11月の初めのことです。 これが、あやめちゃんが我が家に来た、第1号の画像です。 おびえて、人をあまり信じておらず、 そのほうが落ち着くかと一旦ケージに入れてみたのですが かえって怖がって上を下への大騒ぎ、餌も水もひっくり返す大惨事になったので ケージから出してみました。 すると ピアノの後ろの狭い隙間に逃げ込み しばらくして高い棚のてっぺんに籠城してしまいました。 この日から3ヶ月、 あやめちゃんは棚の上に籠城して暮らしました。 餌と水は、棚の上まで毎日運んで行きました。 減っているし、死んでないので、食べているのだろう、 くらいの感じで見守っていましたが どうやらトイレには夜中に行っているらしく、 その後一度もトイレの粗相はしたことがありません。 そんな3ヶ月が過ぎて、 あやめちゃんは早朝、棚から降りてきて歩き回るようになりました。 それがこの画像です。 夜明けのまだ暗い時間にコソコソ徘徊し、 わたしの布団のそばに来てみるようになりました。 ピアノの上にも上ってみたりして 部屋中を探検して回るようになりました。 そして次第に、昼間でもリビングに出てくるようになり 大きな目で、下からじっとわたしの顔を見つめるようになりました。 この人は怖くないのかもしれない、 そう思えるようになったのでしょうか。 さらに、なな猫ホームの他の保護猫たちにも 少しずつ慣れて近づいていきました。 まだ距離は置いていますが かおるや桃など、やさしい子たちのそばに座るようになりました。 そしてある日とうとう あやめちゃん、と呼んでみたら、自分からわたしのそばに寄ってきて お尻をなでさせてくれたのです。 あやめちゃんは、野良猫時代に心ない人から怖い思いをさせられたようで 人の手を、あやめちゃんの頭や眼の上に持っていくと とっさに爪を立てて払おうとし、血まで出たこともありましたが お尻や背中からなでれば、喜んでなでさせてくれるようになりました。 もうおびえた眼はしなくなり こんなふうに甘えて、しっぽをブンブン振るようになりました。 同じく、2008年の11月に保護してお預かりしたエグゼという子とも こんなくらいの距離で [膝にエグゼ] たぶん産まれて初めてのマタタビも経験して 元野良猫がまず骨抜きになる、冬のホットカーペットも堪能、 2009年の2月3月頃には、本当に慣れてきました。 春には、桜の下で エグゼと、庭で散る花を楽しんだり かおるや草太と過ごしたりしました。 この、保護同期のエグゼについては、下記の記事をよかったらお読みください。 エグゼの物語 一足先にもらわれていったエグゼでしたが 病気が発覚し、短い命を終えてしまいました。 あやめちゃんのほうは、他の猫を少し威嚇していたのが、少しずつそれがなくなり また、わたしの膝に乗るのが大好きになりました。 そんなあやめちゃんでしたが、 もうこの子はうちの子か?と半ば覚悟し始めていたところ 去年も終わる頃に突然、すばらしいご夫婦からお問い合わせをいただき あっという間にあやめちゃんの嫁入りが決まりました。 いまだに信じられません。 あやめちゃんに里親さんが決まるなんて。。 きれいで若い健康な猫なのですが 元野良ということ、 過去の恐怖がたぶん尾を引いて、手爪を立てる場合もあり得ること、 そんな要因もあって、ちょっと難しいタイプだったのです。 そのあやめちゃんに 1年数ヶ月後、突然里親さんが決まりました。 今でも夢のようです。 嫁ぐ[笑]前の日、あやめちゃんは 特に仲良しだったかおるとくっついていました。 そして、わたしの顔をじっと見つめていました。 まるで、別れを告げているかのようでした。 わたしには、今までありがとう、 と言ってくれた声が聞こえた気がしていました。 そして今日、2010年1月16日に あやめちゃんはもらわれて行きました。 「本当の」パパママのところに。 わたしが帰る頃、固まってしまっていましたが[苦笑 あとで送っていただいた画像では、少し眼も落ち着いた感じです。 あやめちゃんの里親さんは、数ある募集猫たちの中から 難しい点もあるあやめちゃんを選んでくださいました。 このやさしいパパママにあやめちゃんがこころを開く日も、きっと近いと思います。 1年数ヶ月前に、保護して初めて我が家に来た日、 あやめちゃんはケージをぶっ倒す勢いでしたが 今日は、もうそんな野良猫風は全然見せませんでした。 1年経って、 家猫修行を見事に終え あやめちゃんは幸せな飼い猫になったのです。 野良猫を保護するということは 半端な気持ちで続けられることではありません。 大変なお金と労力がかかります。 でも、こうして1匹の命が幸せになるとき その苦労を補って余りある嬉しさを その子と、その子の飼い主になってくださる方たちが返してくださいます。 あやめちゃんもエグゼも、決心して保護に踏み切った人の あたたかい熱意があって、 冷たい冬や、厳しい飢餓、夏の渇き、人や車などたくさんの恐怖を後にし 「本当の」パパママにだっこされるという 猫として 本当は野生では生きられない、猫という生き物としての 最高の幸せを知ることができました。 あやめちゃん、元気で、 一緒に家猫修行をしたエグゼの分も、幸せになるんだよ。 よくがんばったね。 なな猫ホームに来てくれて、ありがとう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年01月17日 11時41分37秒
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