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東京なな猫通信

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2010年09月08日
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この猫たちが、いえ、正確には、この母猫が保護されたのは
1年と少し前、去年の7月のことでした。
保護の翌日に4匹もの赤ちゃんを出産してしまった、
ガリガリに痩せきった、小さな小さな母猫でした。

保護してくださったのは、保護ボランティアでもなんでもない、
ただ動物の命を重んじるこころをもつ、若い女性でした。
ご自宅には犬と鳥を飼い、それ以上飼えない規約の住宅事情から
保護後、ある保護団体に預けられて最初のひとつきを過ごした後、
この母子家庭、計5匹がなな猫ホームにやってきました。
保護してくださった女性は、実はあの、
亡きエグゼを勇気をもって保護なさった方で

   元・赤坂のビル猫、エグゼの物語
 
そのご縁から、5匹の母子が我が家にやってきたのでした。



実は先日、譲渡され幸せになった、元・海ちゃん、
いまは国際カップルに可愛がられて
マオジュシーという中国風の素敵な名前をもらっている、
そのマオくんの最近画像が届きましたので
その画像を、兄弟の雪と空の里親さんにお送りしたところ
元・雪のソルトと、元・空のペッパーをこよなく愛してくださっている里親さんも
同じ兄弟の幸せを大変喜んでくださり、
新しい画像を送ってくださいました。

それで今日は、この母子家庭のお話を
過去の画像を入れながらお話したいと思います。
とにかく膨大な数の画像がありますのでダッシュ
とてもそのすべては出せないので、ごくごく一部の画像ではありますが
このなな猫通信をごらんの皆様にも見ていただければと思います。

ちょっと長くなり、楽天日記の容量オーバーですので(汗
本日はこのお話、前編とさせていただきます。



 花  花  花  花  花  花  花  花


小さな小さなママ猫と、もっともっと小さな小さな赤ちゃん4匹がやってきたのは
去年の8月、ほぼ1年前のある日でした。
どんなに小さかったかといいますと

     奈々とラムちゃん

これ、手前にいる、うちのボスのさび猫・奈々ですが
奈々が大きいわけではなく、
ママ猫のラムちゃんが小さすぎるのです(苦笑
奈々は、どちらかといえばスリムで小柄な体形なので
(態度は一番でかいですが 汗)

     落ち着いてきたラムちゃん

ラムちゃん(うちでは当初、つぐみちゃんと呼んでいたのですが)は、
保護してくださった女性の家の近くに、
ある日突然現れるようになった野良猫で
ほかの大きな野良猫たちをいつも怖がっている風で
たいてい何かの下に隠れたりして、
餌も満足に取れていない様子だったそうです。
犬の散歩で毎日見かけるようになったその女性の目にも
みるみる痩せて、目もほとんど開いてないくらいに
憔悴が目立つようになりました。

この方が、猫のケージを購入するなど準備を整えて
(それは一大決心に違いなかったろうと思うのですが)
思い切って保護してみたところ、
その翌日に4匹の赤ちゃんを産んでしまったのです。
あまり小さく痩せさらばえていて、
妊娠さえ気づかれなかったラムちゃん。。

でも、うちに来てしばらくして、特に夜鳴きもなく
家の中の生活にも慣れ、徐々に太って、
つぶれていた目も開くようになりました。

     眠り込むラムちゃん

よく、子猫たちにミルクを飲ませてからは
こんなふうに死んだようになって、座布団で寝ていました(笑
もともと野良ではなく、飼い猫の捨て猫ではないかと思われました。
よくあるパターンですが、飼い猫が子猫を産み、
しばらくは可愛がるのですが
だんだん大きくなってきて処置に困って捨てられる、
それが大体、4ヶ月から8ヶ月くらいでしょうか。
その間に、早い妊娠をしてしまったのではないかと思います。
野良猫、捨て猫の世界によくある「幼な母」です(泣

さまよって、野良生活の強さもなく、痩せて痩せて
お腹が空いて、怖い思いや寒い思いをたくさんたくさんして
そして、ある日やっと、あたたかい手に抱かれました。
Hさん、勇気を出して保護してくださって、
本当にありがとうございました。
いまの、この子たちの幸せ、あなたが最初に作ったものです。

さて、そんなラムちゃんでしたが、これもHさんのほうのご縁で
Hさんが最初に保護ということをされた、あのエグゼ、
赤坂のビル猫だった、今は亡きエグゼの里親さんが
里親考慮の一時預かりをラムちゃんにしてくださることになり
ラムちゃんは子猫たちに先立って、
エグゼの里親さんのお宅にもらわれていきました。
ラムちゃんという名は、そのエグゼの里親さんがつけてくださったものです。

     ラムちゃんアップ

ネット環境にない方なので、画像があまりないのですが
お電話では頻繁に様子を聞かせてくださり、
ラムちゃんも、この写真のときより、今ではもっと太って、
目ももっと大きく開いていることでしょう。
里親さんのお腹の上で眠る幸せなラムちゃん、
よかったね。あのときよくがんばったね、
あなたのお子さん、幸せになりましたよ(笑

さてさて、ママのラムちゃんがいなくなった子猫たちですが
当初はケージでこんな風に生活していました。

     赤ちゃんたち1

ケージの間がこの子たちには大きくて、
ツルツルはみ出てきてしまうので(笑
ガムテープを張って出ないようにしたりするくらい。

     赤ちゃんたち2

左から、海ちゃん、空ちゃん、陸ちゃん、
そして後ろに紅一点の雪ちゃんです。
雪ちゃんなんかホント、お人形みたいですねー。
シッカリしてなくて(笑

     赤ちゃんたち3

ケージの中、右下に見えるのは、オヤジ特製の「登り棒」(笑
うちの猫たちが使いまくってバラバラになった猫タワーの残骸なのですが
これをうまく2段ケージの中に設置し、小さすぎる子猫たちでも
2段の上と下を上り下りできるように。
子猫たちは、これをうまく使って爪で上り下りし、
下の部屋はトイレとご飯場、上が寝場所、のようにしていました(笑

でも、一番からだが大きくて、わりとしっかりしていた海ちゃんでも
なんだか今にも消えそうな感じでショック
ママのラムちゃんの乳がなくなってからは
シリンジという注射器のようなもので、
ワタシが母となってミルクを朝昼晩飲ませました。

この子たちが全員エイズかもしれないことは、
預かる時点でわかっていました。
母猫のラムちゃんの血液検査がエイズ陽性だったからです。
そして、保護団体で1ヶ月、母子は一緒に生活していましたので
母乳による母子感染も当然に思われました。
でも、うちに来てラムちゃんが移動してからは、
エイズの感染経路である母乳・喧嘩による流血・交尾の3要素を
我が家では認めないものとして、
うちの猫たちと一緒に育てる覚悟をしたわけです。

 ★エイズ・キャリアについて★
 エイズという名称のイメージがよくないのであって、
 猫の場合、実はそんなに怖い病気ではなく、
 エイズ発症とエイズ「キャリア」であるということは同じではありません。
 詳しくは下記をごらんください。 

   猫エイズなんて怖くない!



けれども、やはりエイズ・キャリアのせいかどうしても弱く、
いつもなんだかこんな感じ。

    爪とぎの上で寝てしまう赤ちゃんたち

覇気がないというのでしょうか、
赤ちゃん猫特有のウジョウジョ動き回る活発さが次第になくなってゆき
風邪の症状が続きました。

ミルクとともに、医師の指示で「強制給餌」、
つまり、練り練り状のフードをシリンジに詰めて、
無理やり子猫たちの口に詰め込んでいく処置を続けたのですが
「もうイヤ~~!」と逃げる子猫たちを捕まえ捕まえ、
それこそ朝となく夜となく、一日に何度も食べさせ、薬も飲ませて
本当に体力と気力を消耗する作業の連続でした。

週1、2のペースで病院通いする、その治療費も
いくら保護協力医とはいえ膨大な額になっていき
一時保護主のHさんがそれこそ骨身を削って捻出してくださいました。

    陸ちゃんを世話するかおる

特に、こんなふうにうちの子たち、かおるや草太たちにも可愛がられて
里親さんのご応募も一番に来た、
利発そうで可愛かったのが、黒キジの陸ちゃんだったのですが
寝ずの番の甲斐もなく、小さな命をまっとうしてしまいました。
いま、陸ちゃんは、うちの庭の桜の下に眠っています。

    亡くなった陸ちゃんです

かわいかった陸ちゃん。
小さかった、小さかった陸ちゃん。
助けてあげられなくてごめんね。
ずっと忘れないからね。


★後編につづく★





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Last updated  2010年09月08日 20時30分42秒
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