20分間、もがき苦しんで殺される
もう長いこと生きてる気のしてたなな猫も いま、生まれて初めて聞いた言葉を学びました。 定時定点[定点回収]。 これは、不要な犬猫を行政が回収して処分するための制度だそうです。 友人の友人、へむへむさんのブログでは、 9月20日のTBS「イブニング・ファイブ」で報道された、 「ペット回収車驚きの現実 愛犬愛猫の行方は」が紹介されていました。 その中から、わたしのこころに痕を残したことばを拾ってみます。 *********************** 広島県動物愛護センターでは、 平成14年度にこの定点回収で引き取った 犬は1,984頭、猫は4,048匹、合計6,032匹 という数にのぼります。(三原市HPより) この数はすべて、飼主もしくは住民によって連れて来られた数です。 ******** 猫を回収車へ連れてきた人がその理由を述べます。 家の中がノミだらけになっちゃ辛いもんで。 増えちゃってしょうがない。 メスなもんで。ハハハハハ。(朗らかに笑う) 記者:あの猫ってどうなるか知ってます? 殺されるんじゃないの?(早々に自転車で去る) ******** カゴには三毛猫が一匹入れられています。 中年女性:子供ばっかり産むからね。 記者:何か悪さされたとか? 中年女性:いや、そういうことは全然ない。 ******** ナレーター:この女性が連れて来たのは、12年間共に暮らした犬。 記者:12年間一緒だったんでしょう? 寂しくないですか? 女性:寂しいったって、そんなこと言ってられない。 ― 踏ん張って嫌がる犬を引っ張って、 回収車へ乗せようとする女性の後姿。 犬のくーんと切なく鳴く声が聞こえる。 女性が暮らすことになった新しい市営住宅では 犬が飼えない 女性:この中入るんだよ! (と、犬のお尻を押して回収車に乗せる) ******** 生きた犬を檻から出し、箱(ガス室)に入れた後、 二酸化炭素を充満させ、 20分かけて窒息死させるのです。 安楽死ではありません。 これが犬が見る最後の光景。 (ガス室の中から開いた蓋を見上げた天井裏の映像) 猫の場合も同様です。 ******** この保健所で処分される猫の数は月に平均47匹。 犬は8頭。 元飼主が書いていった理由は、 「転居するため」 「面倒を見られなくなったため」 そして、「いらない」。 *********************** ここには、人間の生活を第一として、 飼っている動物の生死を簡単に左右する 旧態然の日本人の考え方が明らかです。 転居する、 新しい家では飼えない、 増えた、 うるさい、 めんどくさい、 ・・・ ・・・ 正しく不妊去勢の処置もせず 不用意に鳴かせない躾も怠り ノミの駆除そのほか、清潔にしてあげるための 時間、労力、費用を、いや、愛を、惜しんで ただ散歩がめんどう、 世話が大変、 汚い、臭い、うるさい、 近所から文句を言われる、 そんなことで、何年も何年も、ときには10年以上も飼っていた動物たちを 20分間、気も狂うもがき苦しみ喘ぎのなかに ゲホンゲホン!!ゲホゲホ!!ギャア~~!!ゲエーー!! その地獄のなかに! 片足で蹴って突き落とすようなことをする 飼い主、という名称の冷酷非情な人間。 上で紹介されてる、12年間飼われた犬は きっとなんとなく恐怖の事情を感じ取り 足で踏ん張って回収車に乗ることを拒んだでしょう。 12年も飼ってたのに。 オギャアと生まれてから可愛がり育て、 12歳になった我が子を、成長したわがこどもを 「この中に入るんだよ」とお尻を押して車に乗せる? その子が最後に見るのは、 ガス室の中から開いた蓋を見上げた天井裏!? おかあさん、おかあさん、たすけておかあさん! おかあさんたすけて!おかあさんたすけて! 最後までその子は叫んでいたでしょう。 自分を殺した非情な飼い主を慕いつづけて。 こういうことをよしとする常識は、間違っている。