そらのごきげん（想天流転)

師走の商店街

この間まで洋風一色の
イベントの雰囲気で溢れていたのに
今では神妙な
和風の雰囲気

人間なんて
こうも変わり身が早い

あと何日かで
新しい春がやってくる

ん？
あと何日だ？

鈍色の雲の晴れ間から
太陽が光の矢を放つ
新しい春の日に
光を持ってやってくる
リハーサルに余念がない

チャコールグレーのアスファルト
その上にならんだ
注連縄や勝雄菜　竹の緑
蜜柑や柚子の黄色
南天や金時人参　赤蕪の紅
そして極めつけ
眼がハレーションで眩むような
大根や蕪の白

天の光にも負けず
地上（ここ）も意外に
彩りに溢れている

小雪が時折舞う
コートやマフラーが行き交う中を
ポケットに手を突っ込んで
足早にすり抜けながら

今年であった人たちに
幸せな春が訪れますように

それぞれが
愛情だったり　成功だったり
合格だったり　デビューだったり
昇進だったり　受賞だったり
いろんな場所で
いろんなものをつかめますように

心の中で祈りながら
そっと希う

どうか　どうか
よいお年を