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テーマ:☆詩を書きましょう☆(8464)
カテゴリ:心の風景
濁りひとつない
澄んだ水に ちいさな魚を放した 魚は最初 元気に泳いでいたけれど やがて元気がなくなって ういてきてしまった 濁りひとつない 澄んだ水は カルキで消毒されたあと 煮沸されて 蒸留されて 瓶につめられた 余分なものが何もない ただの純粋な H2O ごめんね きれいだとおもったから 安心して放したのに ごめんね キミを放したのは 絵空事みたいに きれい過ぎた水 きれいすぎて 純粋すぎて からっぽの 純水 その水の中では生きられないのに 人は きれいなものに憧れる きれいなだけなら 瓶の中で 美しいまま 店頭に並べばいい 私は そんな水はいらない 魚の住めるくらいの 少し曖昧な よどんだ水が 似合ってる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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