そらのごきげん（想天流転)

いままで
私の空は君だった
見上げればいつも
空と言う名の
君が広がっていた

いまは
君を通さない空が
毎日輝く

さみどりの
律儀な葉脈の
若い栗の葉の向こうから
まっすぐな光が差すのを
眩しく見上げながら
日々　空を見上げる

淋しい日は
君のいない
空っぽの空

嬉しい時は
遠いとおい
君がどこかで
笑う空

そんなココロを
風に放つ

淋しさや悲しさは
君にはもう飛ばせない

楽しいことや
うれしいこと
よかったことだけ
風に乗せて飛ばそう

いつかきみが
飛ばしたココロを
受け取ったとしても
「大丈夫だね」
そう　思えるように

今日も
まだ慣れない
新しい世界の空の下で
木漏れ日や
空を見ながら
歩いていく

いまの私の
新しい世界