小さな心の旅
赤子のように 目を閉じる 暖かく 薄暗い場所で 心の一番奥に そっとそっと降り立つ まっさらで おだやかな 新生児のような気持ちで 自分の世界の 中を見回す 静かに黙って 見上げた心の空 心の中の世界は 濃く暗い雨雲 そこに差す光が映す 銀色の針のような 美しい雨 その雨は あたたかく 髪や肩に触れる 柔らかい雨音が 耳の中に さたさたと 運ぶ音符 暖かい雨と 雨音に包まれながら いつか虹も出るだろう空を 顔を上に向けて 仰いだまま やさしい雨に抱かれよう 私の心のなかで いとおしい空からの あたかい雨に包まれながら ただただ 無心で抱かれていよう 心の中が 空で 満たされるまで 心の中が 満たされたら そっと目を開けて 今の世界に帰る ちいさなちいさな 心の 旅