カテゴリ:日々のつぶやき
講演会に参加してきた。
最初は、面倒かもという意識だったのだが、 目からウロコというか実に興味深い話だった。 犯罪が起こると、容疑者の心がどうのとかどうしてそうなったかと 追求したがるのが日本の悪いところなのだという。(秋田の事件が良い例) どうやったら事件が繰り返されなくなるか、 というのを考える意識が日本人は希薄なのだそうだ。 だから子ども向けに作る犯罪マップなどは、 ここに不審者が出たとかここで何をされた、とかそういう情報が載せられているが あまり意味がない、というかむしろ悪、なのだそう。 その場所で2度犯罪が起こるかどうかはわからないし、 子どもが被害を受けた状況を告白させて作っているから、 そういう犠牲の上に作られたマップはトラウマを引き出してしまう恐れもあるという。 確かに。 大切なのは、人に視点を置くのではなく場所なのだという。 入りやすい場所、見えにくい場所、 この2つの条件が揃った時、犯罪発生率は高くなるという。 そういう場所を知り、極力近付かない、行かなきゃならない時は そういう場所なのだと自覚しているだけで、 ずい分犯罪に巻き込まれる可能性は低くなるのだそうだ。 たとえば公園。柵のないところは見えやすい、しかし入りやすいので犯罪は起こる。 柵で囲ってある場所は入りにくい、しかし見えにくいので犯罪は起こる。 隙間のある低い柵で覆うと入りづらく見えやすいので犯罪が起こりにくくなる というのである。 また、落書き、ゴミ、放置自転車のある場所、入れる廃屋。これは管理されていないということで 関心の薄い場所として犯罪発生率が非常に高くなるというのである。 そういう場所を調べて、ここが危険ここは大丈夫というのを地図にしてできた 生活安全マップ。これこそが、有効な防犯マップだという。 これまでの事件を例にわかりやすく説明してくれた。 パチンコ店跡で殺された女子中学生。ここも入れる廃屋。 ここに入れなければ、まずここで犯罪は起こらなかった。 入れても凶器となる棒やノボリ旗が放置されていなければ、殺されなかった。 そういう起こりそうなことを排除して犯罪防止率を高めるための、 犯罪機会論というのが日本にはまだまだ足らない、と講師は嘆いていた。 仰る通りかもしれない。 昨日の虐待話に繋がるが、欧米では、まず子どもを一人にしない。 した時点で虐待とされてしまうという。友達の家には親が連れて行く、 学校の送迎はスクールバスで。 しかし、これは一方でひ弱な大人を育てるというリスクも負うので それなりのカリキュラムを組んで自立した時の勉強というのも同時に行われている そうである。 日本人は、事件が起こると送迎バスとかハード面を充実させたがるが、 同時に欧米のようなことを子どもに教えないので、その場しのぎに過ぎない というのも問題らしい。 実は長男の学校から配られた地図も不審者情報の載せられた 地図である。 この講演会、学校の先生に聞かせて、実際に子どもにやらせれば良いのにと思った。 講師はこの本の著者だった。自分だけでなく子どもにも読ませようと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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