マジックショーin霊園
今日は、母と子ども達とで墓掃除に行った。実家の墓のある霊園は、巨大な自然公園の中の一部に作られている。何区画にも区切られていて、何区何番何号みたいな表示まであるほどちょっとした団地状態だ。この時期は年末ということもあって、掃除に来る人が多い。なのにここの自治体の怠慢か。水道から水が出なかった。水道といっても、上水道ではなく、近くの池の水を引いてきているだけなので飲み水にはならない。水道栓は各区画にいくつかあるので、あちこちひねって回ったがどこも出なかった。仕方ないので、長い石階段を降りたとこにある川まで水を汲みに行った。そうしたら、長男がついて来た。川の水も油が浮いてたりして淀んでいて、長男が使えないんじゃないの?と言ったがこれしか水がないのだから仕方ない。そうしたら上から母も降りてきた。この水しかないと言ったら、無いよりマシだというので持って上がることにした。あれ?娘はどした?母に問う。「あー、ここで待っててねって言ってきた。」おいおい、このご時世になんてことするんだ。おまけに、人一倍ひとりぼっちを嫌うのに。慌てて戻ってみると、案の定、墓の荷物置き用の石に座ってシクシク泣いていた。このシチュエーションで幼女が一人ぼっちで泣いている図は怖い。私の顔を見るなり号泣した。ほらね。「あら、お母さんはよくわかってるねえ。」・・・のん気なばーちゃんだな(怒)。娘の気を取り直すものがないかと探したらどんぐりがたくさん落ちていた。それを拾わせていたら、すっかり立ち直った。そこに野良ネコが一匹顔を出した。この霊園のある公園は、人がたくさん来るのでネコに餌をやる人がいたり、それを知ってネコを捨てる人もいる。なので野良ネコがあちこちにいる。娘が「おいで。」と言うと逃げて行った。がっかりしているところに、向こうの方からもう一匹。怖がるといけないので、長男と私と娘3人はしゃがんで近くに来るのを待っていた。そうしたら、左方向からゴミ捨て場のブロック囲いの後ろ側に入った。そして右側にひょっこり顔を出した。あれ!?なんか違う。長男が気づく。「あー、ネコが変身して出てきたー。」と笑い転げている。灰色のネコだったのに、出てきたのは黄色いトラネコ。「キャットマジックショー in 霊園~だね。」と長男が言う。確かに。このトラネコ、ものすごくいかつい顔をしているのだが鳴き声がかわいい。「強面に似合わない声~。」とまた笑い転げる。まるで安田大サーカスのクロちゃんのよう。そこにさっきの灰色のネコも出てくる。「種明かししなくてもわかってるよ。」と長男が突っ込んでいる。墓掃除に行ってここまで楽しめるとは。野良ネコもなかなかなエンターティナー。