その日、男は女に会うために鹿児島から神戸に来ていた。


海の見えるレストランで昼食を楽しみ、


ショッピングを楽しみ、


午後２時を過ぎようとした時、


男は、名残惜しそうに言った。


「今日は楽しかったよ。ありがとう」


「私のほうこそ楽しかったわ。」


「ああぁ。残念だけどお別れの時間だ」


「ええぇ、急がないと飛行機に乗り遅れるわね」


男は、女の運転するメルセデスの助手席に乗り込み、


その運命の全てを女にまかせていた。


ドイツ車らしい堅めの足回り、堅めのシート、そして堅めの運転。


高速道路の継ぎ目を乗り越えるドスンドスンという音が、


車内に寂しく響きわたる。


重苦しい空気が漂う……。


ふたりには、もうすぐ別れがやってくる………。


男は、遠くの山を眺めながら静かに口を開いた。



「ぼくたち、空港に向かっているんだよね」



「ええ、お別れする大阪空港に向かっているのよ」



「そうだよね。神戸から大阪に向かってるんだよね」



「ええぇ、そうよ。神戸から、お別れの大阪空港に向かっているの」



「あの……」



「なに？」



「あの…………」



「だから、なにかしら？」



「あの…………………」



「だから何が言いたいの？」



「なんで、右手に、山が見えるんだろう？」



「はあ？　何を言ってるのよ！

　神戸から大阪に向かってるのよ！

　右手は海！　左手は山に決まっ…………」




ここからは　女→関西弁　男→鹿児島弁　で　おおくりします。




「ぎょえええええ！
　右手に山があるう
　うぎゃあああああ
　道間違えてもおた！」

「なん言いよっとね！
　あんたの地元
　じゃろがね！」

「そんなこと言うても
　逆走中よ！逆走中！」

「ばがあああああ
　はよ高速降りて
　引き返さんね！
　飛行機に
　乗り遅れるがあ」

「ほんまにもう！
　わかっとるわ！
　高速降りて
　Ｕターンじゃあ」

「あああ～～～！
　乗り遅れる～～
　もっとおおおお
　飛ばさんねえ～」

「じゃかあしい！
　わかっとる！
　こらー前の車！
　どけどけええ！」

ブオオオオオオオ
オオオオオオオオ
ズゴオオオオオオ

「ぎょえええええ！
　ごええええええ！
　ややややっぱり
　ややめぢくりい！」

「じゃかあしいい！
　どかんかいいい！
　このボケ！タコ！
　前のチンタラ車！」

ブオオオオオオオ
オオオオオオオオ
ズゴオオオオオオ

「もおおいいい！
　もおおいいい！
　飛ばさんでええ」

「黙っとれえええ
　どけ！どけええ！
　踏み潰すぞおおお」

ブオオオオオオオ
オオオオオオオオ
ズゴオオオオオオ

「ごえええええ！
　ムホちゃん！
　オラ死ぬのは
　いやじゃあああ！」



後部座席より

「まあまあ♪。
　ムホ♪。ムホ♪。
　死ぬときゃあ～～～み～～～んな一緒よね♪。
　ムキムキ♪。ムホ♪。ムホ♪。」



飛行機には無事♪。間に合いましたあ♪。

あああ～～～♪。よかったあ～～～♪。

本日の日記は♪。

神戸の異情事♪。じゃにゃい♪。

神戸の異常事♪。でした♪。ムキムキ♪。ムホ♪。ムホ♪。



※お話しはホンの少しだけ誇張してありマッスル♪。ご了承ください♪。

《出　演》　　男 ： スマイルどらえもんさん　　女 ： たこ焼き子さん



それではみなさん♪。また明日ぁ～♪。

明日もいい日でありますよぉ～にぃ♪。



　☆今日の運勢星いくつ？ ぼくは8000億コでした♪


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