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テーマ:鉄道(22867)
カテゴリ:鉄道
夏休みのとある日、、
真夏の日差しが照りつける中、私は汗だくになりながら、ただひたすらそのときを待っていました。 ここは、群馬県安中市郊外の信越本線。 あたり一面には、黄色く色づき始めた田園地帯が広がっています。 もうすぐ来るはずの列車は、この春に38年ぶりに復活したばかりの蒸気機関車「C61」の20号機が牽引する列車「SLレトロ碓氷」。 「11時10分頃ですかね、ここを通過するのは?」とお隣りの年配男性が話しかけてきました。 「私はこの近くに住むもので、皆さんのような立派な機材はもっていないんですよ」。 そう言いながら、コンパクトカメラを見せてくれました。 「そうなんですか~、ほら遠くに煙が見え始めましたから、もうすぐですよ」 私がそう答えると、汽笛がかすかに聞こえました。 その煙が徐々に近づいてきた頃、近くの踏切が「チンチン」と鳴り始めました。 ほどなく田園の中を、ヘッドライトを点灯した黒い塊が、こちらに向かって突き進んでくるのがわかりました。 C6120SLレトロ碓氷-2 posted by (C)Nao やがてこげ茶色の昔懐かしい客車6両を従えたC61は、真っ黒の煙を勢いよく噴き上げながら、一瞬にして私たちの横を通り過ぎていき、その瞬間、あたりを漂う黒煙と石炭の燃えたかすかなにおいを残していきました。 38年の時を超えて復活した蒸気機関車C61。 国内有数の勾配区間と言われるこの先の信越線も、きっと力強く駆け上がっていくことでしょう。 C6120SLレトロ碓氷-1 posted by (C)Nao 遠ざかっていく列車を見送ると、最後尾には帰りの列車を牽引するディーゼル機関車のDD51の鮮やかな赤が目に留まりました。 そのまま近くに停めた車に飛び乗ると、18号線を走って終点の横川駅をめざします。 C6120SLレトロ碓氷-3 posted by (C)Nao 途中で渋滞に巻き込まれ、ようやく30分後に横川駅に到着すると、すでにホームは停車中のC61を取り囲むように、大勢の人でいっぱいです。 この先の信越線はすでに廃止されていて、終端駅となってしまった横川駅ですが、そこには昔ながらの駅舎やホームが残る、とても懐かしい風景が広がっています。 C6120SLレトロ碓氷-4 posted by (C)Nao そんな懐かしい風景の中を停車中のC61。 列車の旅によく似合う横川名物、おぎのやの「峠の釜めし」が、ノスタルジックな気分にしてくれました。 (撮影地:信越本線 安中~磯部間、横川駅構内) にほんブログ村 SL関連の日記 2010年6月12日:「高原を行く蒸気機関車/D51 498」 2010年6月30日:「SLを追いかけて/中央本線・小淵沢」 2010年8月21日:「野辺山高原の台湾シュガートレイン!」 2010年9月20日:「SLで鉄分補給 ~南アルプスぐるっと一周500km走破~」 2010年10月2日:「高原のポニーと宇宙に一番近い駅 ~小海線・野辺山・清里~」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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