追悼
独身の頃、2年ほど父の会社で働いていた。そこへ、ときどきやってくる福岡さんという、取引先の人がいて、私より少し年下の娘さんがいることから、よく雑談をした。「直ちゃんはさ~、インディアンみたいな髪型(←編み込み)のほうが似合うよ」とか、「夫婦って、新婚時代の楽しさと、老後の安心のために一緒になるんだって。あとは闘いなんだって。」と、今思い返すと、私の結婚生活を暗示したような話してくれたのも福岡さんだった。その福岡さんが、奇しくも三女が移植を受けた病院で、きのう亡くなった。こんなこともあった。福岡さんのお父様に、認知症の症状が出始めた頃、「最近おやじがボケちゃってさ、”車買いたいから、ちょっとお金出してくれる?”って聞いたら、”これで足りるか?”って、千円札出すんだぜ。まいったよ(笑)」それを聞いて、当時20歳そこそこの私は、「それ、絶対ボケたふりだよ」と言うと、「そっか!!ボケたふりか!!」福岡さんは大声で笑った。ゆうべ、布団の中でその会話を思い出し、そんなことを言って良かったのか・・・と思った。