夫を亡くした友人にかける言葉
郵便受けを見ると、それが一目で喪中ハガキとわかる。今年はすでに、高齢の親が亡くなったという知人からの喪中ハガキが数枚来ていたので「またか」という感じで手に取ってみると、そこには「夫が・・・」の文字。思わず「え!?」と声が出て、家の奥から娘に「どうしたの?」と聞かれる。 彼女とは中学と高校も一緒。彼女の結婚式にも出席し、お互いの出産が2週間違いだったこともあり、子供がらみのつながりもあって細く長く付き合ってきた。20年前、私の息子が亡くなったときも彼女は駆けつけてくれて、翌年から、息子の命日ではなく誕生日に花を送ってくれ、一緒に”死んだ子の年を数えて”くれた貴重な友人だった。そんな彼女の身の上に、思いもかけないことが起きた。こんなとき、かつて私が息子の死をどう受け止め、消化して今に至ったのかを話してあげることが、彼女の励みになるのだろうか。それとも、まだ深い悲しみのさなかにいるであろう彼女を、そっとしておいたほうがいいのか。テーブルに用意した便せんは、白紙のままだ。