「か~し~て」「い~い~よ」とは限らない
保育現場では、「か~し~て」の回答は「い~い~よ」であることが推奨される。でも、周知のとおり、そんなスムーズな交渉が実現することは滅多にない。先日も、Nちゃんが使っていたおもちゃを、コソッと横取りして遊び始めたTくん。それを見つけたNちゃんが「かえしてーーーーー!!」と叫ぶのも無理はない。しかし、Tくんは「だって、つかってなかったし!」(←語尾、いまどきの子)と言って譲らない。そんなとき、Tくんに向かって「”かして”っていわなきゃダメでしょ」と正論をぶつけたところで、Tくんがあらためて「か~し~て」と言い、それに対してNちゃんが「い~い~よ」という確率はゼロに等しい。ああ、そんなとき・・・「じゃ、ほかのことしてあそぼうか」とNちゃんに声をかけると、思いのほかすんなり「うん」と言って、ほかの遊びを始めたので、聞こえよがしに「きっとTくんは、あそびおわったらかえしてくれるよ」と声をかけると、それを耳ダンボで聞いていたTくんは、ほどなくしてNちゃんにおもちゃをかしてくれた。めでたしめでたし。