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先日、子どもの授業参観で小学校へ行きました。
入学して初めての参観でした。 授業はさんすう、なかなかにぎやかで「ああ、教室って こんな感じだったなあ」と懐かしく見ていました。 授業が終わり、ふと教室の後ろに目がいきました。 子供達の絵が貼ってあります。自画像でした。名前も 横に自分で書いています。 全員の絵を見終わった時、なんともいえない違和感、 不安感を持ちました。「え?小学1年生ってこんな絵だった?」 絵を書くのが好きなコもいれば、嫌いなコもいるでしょうが そういう問題ではなく、なんともこちらが見ていて不安 になる絵があるのです。それも少なくない。 線の細い子、顔なのに奇抜な色を使う子、とがった線を 多用している子、鼻のない子、耳のない子、塗り方が おおざっぱな子。 個性と言ってしまうには不安な絵がありました。 逆にうまいかどうかはともかく、安定感があるのは全体 の3分の1。 あまりに不安になった私は、これが一体何なのか確かめる べく、この本を買いました。 「殺意をえがく子どもたち-大人への警告」 三沢直子著/学陽書房 ¥1.500 もともと絵は心理学的に裏付けができる面があり、カウン セリングでもよく使われます。また、絵をかくということ は本来とても自由なことで、それだけに本人でも気付かない 部分があらわれることもあります。 この本では1981年と1997年に同じテーマでかかれた絵を 同じ年齢で比較しています。総じて言えるのは、線書きが 多く奥行きがないうすっぺらい絵が多くなり、「かき込み」 が少なくなっています。 テーマは「木と家と人をかいてください」というものです。 で、これを自分の子どもにもやってみました。 やってみるといくつか発見がありました。 まずうちの子の場合、木から描きはじめました。細かい枝 を描いています。「なるほど、こないだの木登りのせいね」 経験がいかに大事なことか痛感しました。 次にマンションをかきはじめました。木登りをした公園の そばのマンションを思い出したようで、その後「家」を かくのだったと自分の家もかきはじめました。 が、ううん、そうか、思ったより小さいなあ。 この本によれば、81年と97年の家をくらべると、家の面積 が2/3になったそうです。このことは今の子供達が「家」を 象徴とする、家族や地域や社会から与えられるべき精神的な 支えや暖かさが2/3以下になってしまった、ということを 示唆するのだそうです。例にもれず、うちの子の絵の家 も小さい感じ。 その他にもいくつかポイントが書かれていたので、興味 のある方はこの本を読まれることをお勧めしますが、この 結果をやはり大人は受け止めて、目をそらさないことが 大事だと思いました。うちは大丈夫、という時代ではないし、 家庭だけの問題でおさまらないことも多い。 子どもからのメッセージを受け取るためにも、この方法は 有効なのでは、と思いました。小さい子ほど、環境をかえれば 絵もかわってくるとのこと。時々絵をかかせて、今、この子が どんな状態にあるのか、視点をかえて見てみるのもひとつの手 かもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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