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August 15, 2005
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カテゴリ:カテゴリ未分類
8月15日。去年も気になっていました。
でもどう書いたらよいのかわからず、今も戸惑いがあります。

4年前、大好きだった祖父が亡くなりました。
大正12年生まれでした。

亡くなってから2年後、祖父の家を訪ねたある日、祖母から数冊
のノートを手渡されました。


「僕が死ぬまで絶対捨てるなって言われてたんや。もう
おばあちゃん持ってても何書いてあるか読めんし、あんたに
渡しておくわ。」


1冊は16歳の頃の祖父の日記。そしてもう一冊は1975年の日記。
(祖父は毎日日記を書いていました)そしてもう一冊が回想録。
祖父が絶対に捨てるなと言っていたのは、この回想録。


uich-note1


「昭和二十二年三月」と書かれて始まっています。
祖父は「シベリア抑留」を体験し、帰還した一人でした。日本に戻って
から、何があったのかを克明に記したのです。


戦争のことを、祖父から直接聞くことは一度もありませんでした。
でも、今私の手元にこのノートが来た、ということが、何か意味が
あるようで仕方ありません(何しろ「捨てるな」と言っていたのですから)


『昨日迄へんぼんと翻ってゐた日章旗は何時の間にか下されて
領事館の旗竿の上には真赤な長旗が折からの強い夏の陽に輝き
無風にダラリと下っておる。・・・戦は終ったのだ!休戦!無条件
降伏!何かしら実感が沸き出ぬ程に人々の心は転倒してゐた。・・・』

uichi-note2

時折私には読めない難しい漢字や、なれない言い回しもありますが、
全36ページ、大体の事はわかります。そして、祖父が極寒の地で
どんな体験をしたのかも。


戦争がどんなものか、風化させてはいけないとか新聞・TVでは聞か
れるけれど、風化していくのは身近に体験した人がいなくなっていく
からで、祖父がこのノートを残してくれたおかげで、私は随分違いました。
やはり、同じように回想録を書いている方はいるようで、ネットで公開
もしています。祖父の文中ではわかりにくかった部分も、皆さん同じ
体験をしているので記録を読んでいけば補えました。


結局戦争って家族のことでないと、なかなかわからないです。
おじいちゃんはこういう体験をした、おばあちゃんはものがなくて
こんなものまで食べた、みたいな話が一番伝わります。
そしてそんな経験、絶対にしたくないし、子供たちにもさせたくない。


なのでおじいちゃんに感謝です。
このノート、もう少し大きくなったら子供達にも見せてやろうと思います。










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最終更新日  August 15, 2005 04:03:52 AM
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