苦しい中の収穫(北京五輪最終予選日本×カタール)
どんなに国立に行きたかったことか…同じ都内にいるのに、駆けつけることもできず、家でテレビを見ることもできず…帰宅して、結果を見ないで録画を見よう、と決めてました。試合は、苦しかったですね。不安が残る、みたいに言われてますけど、順を追って整理していくと、私は不安よりも、収穫があった試合だったと思います。まずはデカモリシ…本当に彼みたいなFWは貴重だと思います。相手を背負って時間を稼いでくれる、しかもボールを失わない彼は、どんなに中盤にとってやりやすいことか。体格もいいし、足も速いし…泥臭いヘディングなんかもすごくいいと思います。そしてセットプレー。残念ながら後半はいくつものアクシデントがあり、途中から防戦一方になってしまうのでたくさん見られたわけではないけれど、得点につながった水野から梶山のヘッドなども、練習したプレー、という感じがしましたし、真ん中に出して水野が走りこんだプレーも、練習しているんだな、と感じましたし…この中盤なら色々なアイデアが出ると思うんですけど、これは評価できるんじゃないかな、という気がしました。後半、試合は防戦一方、ばたばたになるわけですが…梶山のアクシデントが痛かったと思います。梶山の攻守に渡るボールを失わないキープ力や守備は、とても今日の構成の中でも大きいものだったと思うので…突然のアクシデントでそのバランスが崩れると、それを取り戻すのは大変だったと思います。それを立て直すのがプロなんでしょうが…バランスを取るのに時間はかかると思うし…その時間の中で、本田の退場というアクシデントも重なってしまいましたから…そりゃボランチが予定外で二人いなくなれば、チームのバランスは崩れるに決まってるんです。その中でどうするか…崩れたバランスの中でどう守っていくのか…そういう意味では、彼らはしっかりと結果を残したと思うんです。ずるずる失点してもおかしくなかった流れの中で、必死にみんながそれぞれの役割を果たしていたと思うし、絶対に入れさせない、という気持ちを感じることができました。特にすごいな、とおもったのは、家長、デカモリシ、柏木、かな…ほぼ90分に渡り、前線で縦に引っ張る動きを担い、長い距離を走って足りない1人分をカバーしたと思います。内田も魅力ある縦の突破を見せてくれました。彼にとっては、こんな状態ではなく、全員そろっている中で試されたかったと思いますが、こんな流れの中で、立派に役割を果たしていたと思います。そういう意味では、アクシデントがあった中で、公約であった勝ち点3をしっかりと死守したことは、評価するべきなんじゃないかな、と思うし、この試合を勝ちで終われたことは、彼らにとってすごい自信につながったと思います。おとなしく、なかなかガッツが表に出てこない、と言われている世代ですけど、今日は、すごく負けたくない、という気持ちをみんなに感じましたし、チームとして戦っているな、ということを感じました。もちろん、皆さんそんなに甘くないと思うので、酷評される人もいると思いますけど…彼らはまだ若いのだ、ということを考えれば、私は彼らを評価してあげたい、と思いました。欲を言ったらキリがありませんからね…本田のイエローはちょっと余計だったし、デカモリシも気持ちはわかるけど、カードをもらってはいけませんでしたよね。そういうところが若いのかもしれないけれど…こういう試合を乗り越えることで、チームはまとまっていくんじゃないかな、と感じます。これがいい意味での肥やしになる試合になればいいな、と思いました。そして個人的には、梶山君の怪我がとても心配です…本人は靭帯ではない、という感触を持っているようですが…大事に至らないことを祈っています…彼がいないと東京も日本も困りますからね。