春が過ぎ、梅雨の時期が来てもJの意識は戻らない 時折容態を尋ねるが、バイクに乗っていて車と衝突しひどく頭を打っているので、 脳の損傷が激しく植物状態だという答えに変わりはなかった 私はというと、相変わらずバレーの練習には休まず行っていた Eチームの交流試合に行ってからよけいに精神的に辛くなり、 バレーが嫌で嫌で仕方なくなった 『バレーなんてやめてしまおう』と何度も何度も思った でも、何か少しでも変わった事をすると良くない気がして、精神的にボロボロのまんま バレーに行っていた 自分の心と行動のギャップ、チームの方針と個人の意思の相違、人の命のはかなさ。。。 これらが私を苦しめ、どんどん落ち込んで行った 練習には行くが誰とも話さなくなり、自分ではもうどうする事もできない状態に なってしまっていた 誰のせいでもない、ショックがあまりにも大きすぎた。。。 バレーではそんな状態が続いていたが、息子の野球には必ずついて行き 毎週毎週忙しい日々は続く 夏には府の大会でベスト8まで残る快挙を達成し、その分忙しさも倍以上になった でも、私にはかえってそれが良かったのかも知れない 実は息子もこの年の初め頃から体調を崩していて、しょっちゅう病院に通っていた 5月には救急車を呼ぶような状態の時もあった 息子は1年生の時からレギュラーになり、試合にはいつも出してもらっていた その分周りからのプレッシャーは大きく、それが体にダメージを与えていたのだろうか それでも一生懸命頑張っている息子の姿は私に力を与えてくれ、とても励まされた いろいろ野球の事を教えてくれていたJを尊敬している息子が、 『オレも頑張るから、兄ちゃんも頑張れ!!』と言っているように見えた 夏が過ぎ、Jの容態は少し安定してきたようで握った手を握り返したり、 野球のボールを握らせると指先で縫い目をなぞり、握りを変えたりするようになったと 外出先で偶然出会ったJの母から聞いた が、まだ意識ははっきりしない 頭の手術も何度となく行われ、非常にゆっくりではあるが状態は好転しつつある Jが事故に遭ってもう4ヶ月以上が過ぎた 。。。続く。。。 |