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テーマ:映画鑑賞(880)
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「幸福の黄色いハンカチ」と言えば普通に日本映画史に残る名作だが、
最近そのリメイクを立て続けに観た。 ひとつはアメリカ版‘The Yellow Handkerchief’(2008)で、もうひとつは日本テレビの製作のものだ。 リメイクは安直な手法などと通り一遍の批判をするつもりは無い。 寧ろ、オリジナルという‘高い山’があればそれに登りたくなるのは自然なことだし、 超えることは無理でもそれを通じて得られることも多いと考える。 しかしだ、これら二つのリメイク版で大いに失望したことがある。 昔こんな記事を書いたことがある。
アメリカ版だとカツ丼、醤油ラーメンの代わりに何が出てくるのか興味津々、 まさに固唾を呑んで観ていた。 アメリカで生活をしたことはないし、それこそ多様な人種の国だから予想は難しいが、 なんとなく‘チーズバーガー’かなと思った。 そこで男が頼んだものは・・・・。
えぇええええぇ、ビールだけかよ・・・(-_-;) いきなりの拍子抜けだった。 武田鉄矢が演じる青年が運転中に下痢をするのは同じだが、その原因である‘カニ’も 出てこないから、下痢の原因がわからないままだ。 それでいて妙に忠実なところもある。 男が殺人を犯した時を知る警察関係者として登場する渥美清が注文したのがレバニラ定食の出前。 同じ役を務める黒人がオーダーしていたのがレバーフライ(Liver fried with garlic)だ。 但し、これもビニール袋に入ったままなので現物の映像は登場しない。 なんでこんなに食べ物のシーンを蔑ろにするんだ・・・<`ヘ´>. 監督がインド人だからカレー以外は興味がないのか等とつまらぬ妄想を抱いてしまった。 そして阿部寛が健さん役を演じる日本テレビヴァージョン。 冒頭で携帯電話が出てくるから、あれから約30年経った今風のチョイスに期待を寄せた。 ところがである・・・。 昼営業のスナックのカレーセット600円(キャベツとミニトマト2個のサラダ付)だ。 阿部らしい直線的な動きでせわしなくスプーンを動かして口に運んでいるが、 美味そうな表情も感激した様子も見せない。 折角スナックという設定なのにビールも飲まない。 セットにはコーヒーはついていない。 煙草を買いに行かせているのに食後の一服も無い。 あれじゃ、6年の刑期を終えて娑婆に戻ってきた解放感が伝わらないぜ・・・<`ヘ´> あそこはカツカレーにしてビールも頼む。 カツは2ピース残してツマミにする。 その時ソースを頼んでカレーを避けるように十分注意してカツだけに正確にかける。 スプーンを使ってカツを切ろうとするが上手くいかず、1ピースを口に放り込んで満足そうな顔をする。 せめてこれくらいの演出はして欲しかったな~。 オリジナル作品ではあれ程の名シーンを台無しにされて、山田洋次もさぞご立腹かと思いきや、 日テレの方の脚本と監修は本人が務めているから納得済みなのだろう。 もう、こんなことに拘る私は絶滅危惧種なのだろうか。 拘るということで言えば、今回知ったことだが高倉健はあの食堂のシーンを撮影する際に、 2日前から何も食べなかったそうだ。 山田洋次の拘りは北海道で安いカニを買って食べると下痢をして大変な目にあうということを 執拗に描くことかもしれない。 ひょっとして本人のトラウマだったりして・・・(^_^.) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.10.14 02:39:34
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