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作家の北杜夫が亡くなった。
今朝その訃報を知って、午後はずっとある探し物をしていた。 中学の時、彼の大ファンだった私は年賀状を出したことがある。 今の時代からすれば実に無防備だが当時は本屋から貰った出版社の手帳の附録として 著名作家の住所録が掲載されていたのだ。 恐らく年末に手に入れた手帳で偶然住所を知って衝動的に出したのだろう。 どんな拙い文面だったか全く覚えていないが、ひとりの少年が懸命に何かを伝えようと考えた筈だ。 何とか本人が読んでくれればいいと願っていたに違いない。 すると、どうだろう。 なんと本人直筆の年賀状が返ってきたのだ。 作家特有の極太の万年筆と思われる字で‘北 杜夫’と署名してあった。 宛名は別の筆跡だったから多分別の人が機械的に処理したのだろう。 それでも少年は特に地方に住む少年は大いに感動したものだ。 綾小路きみまろじゃないが‘あれから40年’ 北杜夫は84歳で生涯を終え、こちらは心臓に障害を負う病人だ。 幸いにも実家に戻ってきているから‘現物’を見つけられるかもしれない。 私の性格から言って絶対捨てる筈はないし、かといって上京する時の限られた荷物に 属する程の物でもない。 両親とも他界しているからヒントは貰えない。 懸命に探したが思い出の品は見つけられなかった。 地層に例えるなら明らかにその時代の物が入っている色々な‘化石’は発見できたが、 その周辺には見当たらなかった。 あの年賀状をスキャンしてブログに貼り付けようという目論見は外れたが、 証拠がないから思い出もなくなった訳ではない。 それにしても何故今年だったのだろう。 ~杜の都揺れし年に 北杜夫枯れる~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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