|
カテゴリ:カテゴリ未分類
2013年5月5日、長嶋茂雄と松井秀喜が巨人の本拠地で国民栄誉賞を同時受賞した。
彼等は私の人生においてあらゆる意味で最も愛した二人の人間と言っていい。 晴れの日に大感激、大感動で感涙にむせぶのが当然なのだが、実はそうではなかった。 松井の引退会見の時に泣かなかった自分に驚いたが、今回長嶋という絶対的な存在が 加わっても、その流れが生きていたようだ。 それでいて、5月4日にNHKBS1で特集した松井特集の4番組には思いっきり反応した。 一部を除いては前に何度も観たことがあるのに相変わらず心が揺さぶられるのだ。 特に2003年のオフにミスターと松井が対談しているのが実に素晴らしい。 これぞエンターティナー長嶋という心遣いと言葉遣い。 例のALCSでのゴジラジャンプを‘2~3m跳んでいたんじゃない’と言えば 本当にそんな風に見えてくるし、‘ヤンキースは地球上のスポーツ界でナンバー1’と言えば、 実はミスターは地球以外の惑星の事情も知っているのではないかと勘ぐってしまう。 長嶋は常に身も心も弾んでいた。 改めて松井秀喜の野球史を振り返ってみると、そこには彼のまったくぶれない野球観が あることに容易に気付く。 チームの勝利が最優先というチームスポーツでは当たり前のことを、 愚直に実践するのが彼のスタイルだ。 地味ながらそれをきちんと理解し共感するチームメイトやファンの姿を見ると、 感謝の気持ちでいっぱいになる。 そして時折大舞台でド派手な活躍を見せるこの男は人々を熱狂させる。 そういうシーンはそれこそ何百回、何千回観ても未だに胸が熱くなり時に目が潤んでしまう。 野球をしていた松井は常に寡黙だが燃えていた。 私は授賞式や始球式では殆ど興奮しなかった。 安倍首相の挨拶の最中にも自分のスピーチの‘練習’をしていた長嶋。 自分らしい言葉で如才なく自身の気持ちを表現した松井。 ただただ滞りなく終了できたことに安堵していた。 興奮、感動できなかったことに特に‘自責の念’は無い。 野球をしていた長嶋茂雄、松井秀喜に対する愛は不変、不動、不滅だからだ。 《追記》 私の周りにいる松井ファンではない、或いは野球ファンでない人達が、 松井の引退式、表彰式でのスピーチを異口同音に称賛してくれた。 私への気遣いや配慮とかとは無縁の連中の言葉だから逆に真実味はある。 そういう意味では松井はグッド・ジョブをしたと言えそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|