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日米通算4000本安打を打った男がいる。
例によってマスコミはカウントダウンに勤しみ、その‘偉業’を大きく報じている。 しかし、それ程価値のある記録だろうか。 日米の通算記録に異議を唱えているのではない。 野球観、価値観の違いと言えばそれまでだが、 この男の目指すものはチームスポーツという野球を冒涜している。 すべてはこの物言いに集約される。
彼は自分の哲学を忠実に貫き通す。 出塁率が要求される打順を任せられても、四球で塁に出ることを拒絶する。
カウントが3-0でも四球を狙うよりも、無理に打ちにいって運よく安打数を稼ぐほうが 自分の利益になると思っているのだ。 当然、ピッチカウントを稼ごうという意識も希薄だ。
ルールになければやっていいというものでもない。 さすがに1点差の9回2アウトランナー2塁でバントヒットを敢行した時は、 チームメイトに白眼視され、識者も問題視した。 普通ならば何らかの形で自覚する筈だがその後も繰り返す。 チームの勝敗より、自分の安打数を如何に増やすことしか頭にない男の醜いエゴイズムだ。 チームの勝利への貢献度は低い生産性のない単打を量産して、 あとはどこぞに支配されているメディアに任せればよい。 残りが50本の頃からカウントダウン狂騒が始まり、連日これでもかとマスコミに露出し、 お得意の‘刷り込み’作業が続く。 それによって、大衆は何か凄いことをやっていると煽られ、見事な印象操作が完成する。 鑑識眼を持たない衆人を洗脳するのは造作ないことだ。 内野安打で名声とCM収入、加えてそのイメージを懸命に保守する組織まで得られる。 システムとしては完璧だ。
一見真実味がありそうだが、この男の言葉になると単に自らのエゴイスティックな野球観を 必死に正当化しているだけにしか思えない。 幸い彼に感化されることなく、‘素人の考え’を実践する選手、 それも一流であればあるほどその傾向が強いのは救いだ。 というかチームスポーツを志す人間ならそれが当たり前だろう。 4000本到達で安堵しているのは本人やファン、その他関係者だけではない。 あの無節操な報道からしばらくは解放される私もまた然りだ。 いやいや、連中はそんなに甘くはないか。 次はどんなネタで刷り込み作業にかかるか仕込みに余念がないかも・・・。 記録達成直後の祝賀ムードの中、私のような辛辣なことを言う人は稀有だろう。 換言すれば、もし彼が普通にチームの勝利を最優先するような野球人生を送っていたら、 記録はここまで伸びなくてもより広範で上質なファンを獲得できたに違いない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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