中村あゆみ:音楽回顧録
サービス精神旺盛で、いつも最高のパフォーマンスを見せてくれた中村あゆみステージの上では、親しみやすい笑顔で駆け抜けていましたが、時折みせる寂しげな表情が忘れられず、何度もライブ会場に足を運びました。悩み、苦しみながらも前に進もうとする姿に、自分自身を投影させていたのかも知れません。楽曲自身も好きでしたが、中村あゆみのキャラクターそのものに共感し、惹かれていった部分のほうが大きかったように思います。そんな中村あゆみのマイベストは、●ベストソング:Smalltown Girl●ベストアルバム:Smalltown Girl●ベストライブ:1986.6.28 東京厚生年金会館●ライブ参戦回数:15回ベストソングについては、「A Boy」,「真夜中のラナウェイ」も好きなのですが、ロックの持つ力強さと中村あゆみ特有の切なさが絶妙に融合された曲として、「Smalltown Girl」を選出しました。またベストアルバムは、未熟ながらも全力で疾走する「Be True」や、大人と少女の間で揺れ動く心情をカラフルに表現した「FAIR CHILD」もよく聴いたのですが、パワフルかつ切ないヴォーカルに磨きがかかり、傑作揃いで完成度が最も高い4thアルバムが、ダントツだと思っています。奇しくも、ベストソングとベストアルバムが同じタイトルになってしまいましたが、高橋研とコラボしていたこの時期が、自分にとって最も好きな時だったようです。なおベストライブは、20歳のバースデーコンサートを選びました。その時に来場者に配られたのが、記事冒頭の写真です。実は、スタッフからの文書が同封されていて、中村あゆみには内緒ですが、ライブの途中でみんなでHappy Birthdayを歌おうという趣旨の内容でした。とても暖かくて、感動的なライブでした。-------------------------------------------------中村あゆみは、試行錯誤を繰り返しながら、いつも前を向いて成長していくアーティストでした。そのため、音楽性は常に変化し、ヴォーカルスタイルも何度も変更しました。いつしか、自分が好む音楽とは大きくかけ離れてしまい、ライブから足が遠のいてしまったのは、必然だったのかも知れません。ところが最近、中村あゆみのライブに足を運びたいと思う気持ちが強くなってきました。今でも現役で頑張り続ける彼女の姿を見ることで、忘れかけていた何かを見つけられると淡い期待を抱いているのでしょうか。ひょっとすると、中村あゆみとのセカンドステージの始まりかも知れませんね。(2005.8.27付けのアナザーブログ記事より)