この世でいちばん大事な「カネ」の話 西原理恵子
この世でいちばん大事な「カネ」の話価格:1,365円(税込、送料別)私の父は「何よりもお金が大事」で、一緒に苦労してきた母をも切り捨て一人で暮らしています。母が人一倍苦労してきた姿をずっとみてきた私を含む子供たちは父の家を訪ねようともしません。そうあることを父が選んだのだからいいのだけれど。そんな父がいるから、そんな父を否定したくて、娘と行った図書館でこの本を児童書の棚からみつけたんだと思います。「『カネ』がこの世でいちばん大事ってなによ!」って。が、しかし…作者の生い立ちから引き込まれ、いろんな現実から培われた作者のお金に関する考え方にはとてもたくましく、共感するところあり、なるほどな~と感心するところあり。自分の子供たちにもいずれ読んでもらいたい一冊になりました。(長女にはできればいますぐ!!)はじめのほうの『新しい町、新しい「お父さん」』の「びっくりしたのは、まわりのお母さんたちがいつもおこっていること。」からの部分はへんなパーマはかけていないけれど、、、、思いっきり自分に当てはまっている気がして反省してしまったな…。自分では子供のことを思うからこそ、毎日なんとかかんとか言ってるつもりだけど、子供にとったら、「いつも怒っているお母さん」だ、間違いなく。次女が言ってた。「怒っているかかは怪獣レベル」だって。「違うよ~、ウサギちゃんレベルだよ」って返したら、笑われた。気持ちに余裕があったら、怒らない、たぶん。怒る前に待ってあげることができる。私の気持ちに余裕のない原因はお金だけとは限らないけど、原因の一部分には間違いないもの。でも、一番共感したのは「自分の子どもには80歳まで生きてほしい。」のくだり。昨年、知り合いの息子さんが交通事故を起こしてしまい、意識不明になりました。身体は元気になりましたが、脳を損傷してしまったため、今でも後遺症が残っています。人生、ほんとなにがあるかわかりません。身近でこの事故があって初めて、他人事じゃないことに気づかされました。人って生かされていることを改めて実感しました。命の長さって自分じゃ決められないんです。いきなり終わってしまうこともあるのです。「頑張るだけ頑張って、それでも耐えられないほどつらくて、死を意識するほどでも、死だけは選ばないで。その場所から逃げちゃえ。ちょっとくらい休んでもいいから。」って私は子供には伝えたいなって。「お金にはそうやって家族を、嵐から守ってくれる力もあるんだよ。」そう、だからこそ「カネ」って大事なんだよ。だから、汗水たらして、辛いことがあっても歯をくいしばってでも働くんだよ。とにかく、父とはぜんぜん違う目線で「この世でいちばん大事な『カネ』の話」が書いてあることがうれしかった。よし、私も働こう。家族を守るために。