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テーマ:介護・看護・喪失(5321)
カテゴリ:ALS関連
筆談の人と話をするとき・・・。 まだ書いてる途中なのに、自分で意味が分かった段階で 「あ~はいはい」って次の会話をはじめちゃう人がいる。 結構そういう人が多い。 私の父は「ALS」という難病になった。 この病気は進行性の難病で全身の筋肉が動かなくなっていくという病気。 進行の度合いも、どこから発症するかも、人それぞれ。 原因も治療法もまだ確立されていない。 父のALSは口元から発症した。 ロレツがまわらず、何喋ってるん?酔っ払いか?って感じから始まった。 そのうちすぐに、「風船が膨らませられない」「麺類がすすれない」など症状が出てきて 「飲み込みにくい」「家族以外との会話が不可能に」「喉につまる」 などなど、「話す」「食べる」の機能がどんどん奪われていった。 今は家族でもほとんど会話は通じない。 たまに、話してる最中に筆談がめんどくさくて口で言ってくることがあるけど、 内容がある程度予想できる場合は、通じることもあるってくらいだ。 だから、父が病気になると同時くらいから筆談をするようになった。 この筆談。 例えば 「昨日買ってきたプリン食べたら、不味かった」 と言いたいとしよう。 本人が 「昨日」としか書いてないのに、 「あっ。プリン??」って先へ先へ行く人が多い。 勿論、その場の流れで「プリン?」と先に言われても 「そうそう」って父が反応し、「買ってきたプリン食べたら」をとばして 「不味かった」とだけ書けば話は通じるわけだ。 でも、プリン?って聞いても本人が「買ってきたプリン~」と話したい事をそのまま 書きすすめることもある。 それでも、「なに?」「おいしかったん?」「えっ?」などとすごく早く相槌を入れてくる 人が多い。 それって、「人の話は最後まで聞きなさい」って基本が出来てないのか、 筆談のスピードを待ってられないのか・・・。 お前はどっちだ?って思っちゃう(笑) 訪問してくれる看護婦さんなどは比較的父が筆談するとき 書くスピードと同時に読み上げ、書き終わってから、返事をしてくれる人が多い。 でも、意外な事に 病院の医師や看護師はさっさと次の会話へ切り替える人が多いのだ。 前に父が頭を怪我して救急車で運ばれたって話を書いた。 その後傷口を診せに行ったとき、何課へいけばいいのか分からずインフォメーションで聞いた。 そこにはベテランの年齢に達した看護師さんがおられて 対応してくれたんだけど、 父がまだ「救急車で運ばれて」と説明してる段階の「救急」位の段階で 「あっ。救急車ですか?で???どこ怪我したの?」と次へいく。 父は苦笑いをしながら次の会話を書き出し 「外科かもしれまんが、私はALSでここに通院してるので、どっちへ行けば」みたいな 事を書き出すと 「外科かも」の段階で「何か紙もらってます~?診察券もってます~?あそこの機械に 入れてみましたか?」と聞いてくる。 父はその言葉を無視して「私はここで~」とまだ書いてると その看護婦は紙を取り上げ「まず一回診察券機械に通してみましょうか」と先へ行きかけた。 私は思わず「お前、ちょっと待て」と言いたかったけれども 父は苦笑いをしてたので、きっとこういう事が日常沢山あるんだろうな~と思い 切なくなってしまって、オバサンに文句言う気力は失せてしまった(苦笑) 病院で働く人間なら、その程度の気遣いくらい持ってくれって思った。 別に後ろに人が並んでたわけでもないのに。 きっとあんな人は患者さんの話が全然聞けない看護師なんだろうな~・・・。 お願いだから、話の内容が分かってても本人が最後まで書くときは 一緒に待ってあげてください。 話を途中で引き継いだり、言い終わらないうちに(書き終わらないうちに) 次の話をするな!(笑)って言いたかったの~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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