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テーマ:おすすめ映画(4057)
カテゴリ:大自然
またもや更新が滞ってしまいましたが、突然南カルフォルニア州のパームスプリングスにお呼ばれして、お邪魔してきてしまいました。ついこないだまで海と海岸、そして岸壁を見つめていたのから一転して、いきなり砂漠の世界です。
パームスプリングスでは今、国際映画祭が開催されていて、砂漠の自然観察はもとより、映画鑑賞三昧の日々を過してきました。映画を4本観て、お尻が痛くなってしまいました。それでももっと観たかったけど、仕事があるので泣く泣く帰途につきました。 4本のうち、2本はモンゴルの映画、1本は日本、そしてもう一本はアメリカ(監督はノルウェー人)でした。一番良かったのは、モンゴルからの出展、『天空の草原のナンサ』(The Cave Of The Yellow Dog)でした。 アメリカ映画にありがちな激しい戦闘、冷徹な対立、そして劇的な展開はなく、淡々とモンゴル遊牧民の生活を描いていて、民俗学的な観点からも、ビャンバスレン・ダバー監督は、究極のモンゴル「ヘリテージ・インタープリーター」だと思いました。日本でインタープリーターといったら環境分野での「自然との通訳者」強いては自然観察等の案内人のことを主に指しているかと思われますが、民族などの有形無形文化的遺産を継承若しくは伝えるのがヘリテージ・インタープリーターです。こんな抒情詩的に、民俗有形無形文化を映像を通して伝えることが出来るダバー監督に敬意を払いたい一方、彼女の技量にジェラシーまで感じてしまいました。 激しい戦闘や劇的な展開がないと書きましたが、やはりそのような映画は若いアメリカ人男性にはあまり受けないらしく、劇場内からはそんな男性客の寝息が聞こえてきましたが、一方で壮年層の男女、女性に限っては年代を問わず、大いに受けていました。 映像が美しい上に、観た後、心にホノボノとした気持ちが湧き上がってくる映画です。大学の卒業制作の一環とは思えない出来です。 実はチケットは売り切れで、キャンセル待ちとなる「ラッシュ・ライン」(上映時刻の10分前に空席があるとチケットの購入可能な列)に一時間も並んだのですが、並んだ甲斐がありました。 女性にお勧めの映画です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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