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カテゴリ:アメリカ的生活
こちらで日記リンクさせていただいている、eco拓也さんのブログで、リサイクルマーク(材質表示識別マーク)の話題が出たので、今のアメリカでのリサイクル事情をちょっと説明したいと思います。
リサイクルの識別マークは、リサイクル可能な回収済み資源のプロセスを簡素化するため、そしてリサイクルへの意識を喚起するためにつけられています。強いてはリサイクルを促進するために作られてものなのですが、リサイクル可能な材質が多岐に亘るため、eco拓也さんのブログで紹介されているように、たとえばプラスティックは7種類もの材質に分けられています。 しかしこのように細分化、そして複雑化してくると、本来はリサイクルのプロセスをスムーズにするために考案されてものがかえって煩雑さを生み、混乱を呼び、リサイクル促進の足かせになりかねません。それこそ正に本末転倒だと思いませんか? リサイクル率の上がらない地域で、どうやったらリサイクル率を上げるかという問題が立ちはだかった時、今までと同じことをしても効果があるわけでも無く、簡単に出来るシンプルなシステムを編み出すことが出来なければ、リサイクル率は一向に向上することはないと考えた人は少なくありませんでした。 そんな中必要に迫られて発展したコンセプトがco-mingle(d) recycle(recycling)です。Mingleは混ざるという意味で、co(共通,同等、とか共同の意味)が付いて、共通な(=リサイクル可能な)材質を一緒に混ぜるという意味です。 具体的にどういうことかというと、ひとつのリサイクルボックスに、ダンボール、紙、プラスチック、缶などを全部ごちゃ混ぜに放り込んで、その混ざった資源をそっくりそのまま回収しようというシステムです。というのも、技術と機材の発達で、ごちゃ混ぜになって回収センターに到着した資源は、センターで自動的に機械分別出来るようになってきているからです。 今私が住んでいる地域では一家庭に3つのリサイクルボックスが配られます。ひとつは紙類、もうひとつは缶・プラスチック類、そして最後はガラス瓶類です。共働きの家庭が多いアメリカではこの分別をしている時間がない人、若しくはリサイクルに参加したい気持ちはあるけど分別が面倒くさいという人が少なくありません。 さらにリサイクル回収日にこれらのボックスを家の前に出しておくと地方自治体から委託を受けた業者が回収してくれるのですが、この分別方式は回収業者にとってもとっても効率の悪い方式だったのでありました。 リサイクル回収トラック(収集車)は分別に合わせて後ろはいくつかのコンパートメーントに仕切られているのですが、例えばその日やたらプラスチックの回収が多いと、紙とビンの部分がまだまだ空いているのに、回収センターまで戻りコンパートメントを空にした後また街に戻り回収作業を続けなくてはならなかったのでした。 これが「分別無し」なら、収集車の収容キャパシティー一杯まで積み込むまでセンターに戻る必要がありません。 もっともこのシステムにも弱点はあります。それはガラス製品です。ガラスがこのプロセスの途中で壊れると、壊れたガラス破片が混じった資源(特に紙類)は廃棄しなくてはならないし、作業員さんの怪我を引き起こしかねません。 また、リサイクル業者さんにとって回収の観点からは効率的なのですが、もちろん自動分別機械の大型初期投資などが必要になってくるので、経済的観念からco-mingle recycleが浸透するにはまだまだ時間がかかるかと思います。 リサイクルのさらに詳しいお話はまた後日します。 今日のメンタリティ ~「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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