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カテゴリ:書評
警察小説の鬼才横山秀夫のデビュー作。
今でこそ超の付く売れっ子作家であるが、 この作品が本になるまでには執筆から15年の歳月を要したという。 ルパンの消息 自殺したはずの高校女教師は実は殺されていた… という情報が時効1日前に警察に届く。 大急ぎで捜査。 容疑者と思われた当時の不良男子生徒3人組も あっさり見つかり、 随分と素直に供述するのだが、 どうも核心が見えてこない… 「本格ミステリー」というのは現代の世の中では、 本当に作りにくいようで、 時には「?」がつくこともある。 執念としか言いようのない刑事たちの粘りで、 ようやく明かされる事件の核心。 いや、「あのこと」はどうなるの? と 心の中で突っ込みを入れていたら、 突如それをフォローするような展開も。 そもそも供述という名で延々と続く回想シーン。 時間がないんだったら、 順序だてて話すのでなく、 結論から話させればいいじゃん。 ということもあった。 そういう点を差し引いても、 この作品は最近読んだ中でも 一番お奨めできる面白さだった。 難しいだろうなぁとは思いつつも、 きっちりと謎を提示し、解いていく 「本格推理小説」の読み応えは そんじょそこらの作品とは訳が違う。 才能ある作家は、 デビュー作からして全然違うのだと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 1, 2009 01:41:15 AM
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