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September 17, 2009
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カテゴリ:書評

骨の記憶

『Cの福音』以来、いつも期待を裏切らず愉しませてくれる楡周平。

心身ともに最悪の状態にありながら、
500ページ以上の長編をわずか3日で読了してしまったというだけでも、
この作品の面白さは証明してくれるが、それを言っても始まらないから
どんな話かを忘れないうちに書いてみる。

主人公は東北の極貧家庭に生まれ育った男。
もっとも、ちょっと昔までは一部を除き、
どこも似たようなものだったのかもしれないが、
とにかく主人公は中学卒業後、
『就職列車』に乗せられて、
集団就職で上京し、ラーメン屋で働くも、
薄給でこき使われ、先は全く見えてこない。

そんな時職場で知り合った男は、
天涯孤独の身でありながら、
祖母から千葉の土地を譲り受け、
幼い頃戦死した父の軍人恩給があり、
金に不自由しないためか、
悪さばかりしている。

ある日、アパートに彼が泊まりに来た晩、
外出から主人公が戻ってみると、
アパートが火事で焼け、
その男も焼死していることを知り、
主人公は今までの自分を捨て、
その男に成り代わることを決意してから、
人生が劇的に変化する…

一人の男の数奇な人生譚としてだけでも
十分面白いのだが、
それからの展開には、
非常に実際的なビジネスの方法論が入っていたり、
高度成長期から現在に至る
わが国の近・現代史が鮮やかに描かれ、
最後まで退屈させない。

また、敢えて触れなかったが、
プロローグとエピローグの存在が、
本編により一層の重みを加えてくれる。

やっぱり、今の私を癒してくれるのは、
十分な休養と、読書のようだ。





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Last updated  September 18, 2009 01:27:13 AM
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