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カテゴリ:書評
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カランコロン漂泊記 「ゲゲゲの女房」が視聴率で『龍馬伝』を上回る大ヒットになって。 大変なことになっている。 「ちりとて」以来の朝ドラファンとしては、 好ましいことだけど、これはやっぱり、 向井君のおかげだなと思う。 どういうわけか、朝ドラのキャスティングは、 ヒロインには物凄い気合を入れ、注目も集めるが、 その相手方には、不思議な人ばかり出ていた。 それはそれでみんな良い味出していたし、 個人的には好きだったけれど、 朝ドラのメインターゲットである女性にとっては、 やっぱり、俳優にこそ気合を入れて欲しかったのだろう。 今までが8対2だったとしたら、 今回は4対6ぐらいのパワーだ。 これが視聴者に受けたんだろうと思う。 本書はそんな向井君演じる水木しげるのエッセー&漫画集だ。 子供の頃のこと、 戦争中のこと、 戦後のこと。 どれもとても過酷なことばかり書いてある。 彼の本を読んだのは初めてだが、 彼の語り口を読んでいると、 人の生死なんて、とてもあっけなくて。 その境は本当に紙一重なのだと思えてくる。 何をやっていても、 人は死ぬときは簡単に死んでしまう。 それでも、いまだに元気に生きている 水木氏は本人も認めているように、 相当な幸運の持ち主であったことは間違いない。 ただ、「運」だけで乗り切れるほど、 人生は甘くない。 水木氏の言葉でも感じたけれど、 もうひとつ大切なのは、 『強い意志』ではないかと。 水木氏が見るに、戦争で命を落とした人は、 言っちゃなんだが、 そもそも 「生きて帰るという意志」が 不足している人が多かったし、 多分そうだろう。 水木氏は、軍隊でどんな目に遭おうとも、 「必ず生きて帰る」という気持ちを 人一倍持っていたようだ。 また、結婚してからは、 「なんとしても貧乏神をやっつけてやる」 という強い信念があったらしい。 (これは「ゲゲゲの女房」を見ていてもよくわかる) 昔誰かが、「人生、思った通りになる」と 言っていたが、本当にそうかもしれない。 多少無理なことでも、 ずっと思い続けていたら、 結構叶ったりするものなのだ。 「貧乏神」退治。 私もぜひともやり遂げねばならない! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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