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カテゴリ:書評
ドラマになり、映画にもなった作品の原作本。
ドラマが面白かったので、読んでみた。 不倫相手とその妻に出来た生後間もない女の子を奪い、 逃亡生活の中で、何年間もその女の子を育てる女と、 その女が何者なのかもわからずに、 育てられていた女のお話。 逃亡生活はやがて終り、 娘は本来の家族のもとへと帰されるのだが、 それが、娘にも、本当の家族にも、女にも、 誰の幸せにもなっていないのがつらい。 女は刑務所に入り、 母親は、自分の知らぬ関西なまりの言葉を話す 娘を気味悪がり、 父親はそもそも自分の不倫がまいた種だけにいたたまれず、 娘もモノ心がついてからいきなり登場した 「本当の家族」に心を許せない。 結局、「不倫はやめとけ」という結論になりそうだが、 良い悪いで行動を100%制御できないのが 人間の「業」というものだろう。 なんでそんなことをしてしまったのか、 なんでそんな事が出来たのかという 素朴な疑問はありつつも、 描写は実にリアルで、どんどん読み進められた。 ただ残念なのは、ドラマが原作にかなり忠実に 作られていたために、 あまり新鮮味が感じられなかった事だろう。 そして、どうしても暗い気分に ならざるを得ないのも正直つらかった。 八日目の蝉 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 25, 2011 11:15:26 PM
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