号泣のわけ 【長女卒業式】
今日は長女の小学校の卒業式。 親バカの私は仕事を休んで参戦。 寒い中、淡々と進む式次第。今となってはすべてが「お約束」の進行の中で、隣では父兄がどうでも良い世間話… 卒業生の大半は見知らぬ子供たち。自分が卒業するわけでもなし。別段、特別な苦労をして通わせたわけでもなく。いつの間にかやってきたという感覚しかない卒業式。正直、かなり冷めた気持ちで、その場に居合わせていたという認識が私の中にあった。その筈なのに、気付いたら、押し寄せてくるような涙を止めることが出来なくなっていた。 私を知る人は想像つくかもしれないが、私は決して「涙もろい」人間ではない。思い返しても、自分自身の卒業式、別れの場面で涙を流した記憶はない。涙の正体は哀しさなのか、嬉しさなのか、自分でもよく説明できないがとても不思議な感覚だった。ふと見たら、蕾から花が咲いていた。これ、桜だよね?校長先生から卒業生一人一人に手渡された卒業証書。正直、この辺りまでは、普通に、冷静に眺めている自分がいた。卒業式が終わった後、最後のホームルーム。もう、先生も父兄も、号泣。一見、普段と何も変わらず見えている風景の一つ一つ流れている時間の一つ一つが、あと10数分で、一生のうち、二度と戻らぬものとなる。大人にはそれが嫌というほどわかっているから。一年間、親よりも長い時を過ごし、親に負けない愛情を注いでいた子供たちと、もう、一緒の時を過ごせなくなる。それは、「仕事」として割り切るにはあまりに切ない運命で。親以上に残酷な瞬間だなぁと感じる。先生が改めて一人一人に卒業証書を渡すとき、「おめでとう」ではなく、「ありがとう」と声掛けされていたのが、とても印象的だった。最後のお話。おそらく、先生は、万感の思いで子供たちに伝えようとしていた。「これから先、中学、高校と進む中で、 楽しいことばかりでなく、つらいこと、大変なことも、 きっと、沢山あると思います。 そういう時には、後ろを振り返り、 ここでの日々を思い出すこともあっていいと思います。 でも、これだけは忘れないでください。 最後は必ず前を向いて歩いていくこと。 過去を振り返っていているだけでは、 何も変わることはありません。 どんなに悲しくても、つらくても、 前を向いていくこと。 これだけは、忘れないでください。 あなたたちなら、必ずそれが出来る。 あなたたちと一緒に過ごしてきて、 先生はあなたたちを見てきた先生は、 自信をもってそう言えます。 だから、前を見ること。 それを忘れないでいてください」お別れはつらいけれど、敢えて「前を向いてほしい」先生、さすがは「教育者」だわー・・・興奮状態だった子供たちはたぶん、殆ど忘れてしまう話かもしれない。申し訳ないが、30年前のこの日、おそらく自分にも話されていた筈の当時の担任の先生の話の内容は、全く思い出せない。でも、卒業式の時、いつもとてもクールで冷静だったその先生が、噓みたいに始終号泣されていた姿は、今もはっきりと覚えている。いつの日か、娘が今の私くらいになった時、「へぇー!!」と思ってもらえたらと思い、書いている。(笑)そうこうするうちに、「校庭集合」の校内放送が流れ、バタバタと解散。 いや、最後はこれくらいのほうがいいかも。 外に出て、先生と長女のツーショット。先生には、感謝の気持ちをお伝えし、これからは引き続き、私たちがしっかりと、娘を育てるし、年賀状もずっと出させるので、先生には、どうかいつまでも元気でいてください。とお伝えした。何気にここは大事。月日の流れは速すぎて、小学校を卒業して30年も経っていて、私の母校は既に廃校してしまったけれど、当時の恩師との年賀状は今も続いている。どうやら教師は引退された模様だが、自分を叱ってくれた恩師がまだこの世にいるというのは、それだけで心強いもの。定番の記念撮影スポットは、陽が当たらず、写真が撮りにくい… 最後に我が家の玄関の前で撮った姉妹の写真。小学校入学式の時に撮った写真と比べると、やっぱり「6年間」の凄さを実感させられる。この6年後、家族がどんな顔をしているか。いい顔になれるように、