「損切りビンボーさん、さようなら!」(株式編)
タイトル:「損切りビンボーさん、さようなら!」(株式編)ディスクリプション:株式で無駄な損切りをしない方法について解説します。はじめに1.損切りとは?2.損切りする銘柄を分析する方法2.1 その時点でのチャート分析をする2.2 PER、PBR、配当利回り、理論株価を確認する2.3 業績を確認する3.株価が下落した要因を考える!?4.最悪、塩漬け株は無理に損切りせずに配当や優待を貰い続ける方法もあり!まとめはじめに必要な損切りをすれば、損失を最小限に抑えることができ、良い成績に繋がることがありますが、安心と引き換えに不要な損切りを繰り返していないでしょうか?不要な損切りを繰り返すことで損失を積み重ね、逆に資産をうまく増やせなかったり、減らしてしまう損切りビンボーさんになります。株式について無駄な損切りをしない方法について一緒に考えてみましょう。1.損切りとは?損切りとは、購入した有価証券が購入時の価格より下落し、損失が生じている有価証券を見切って売却することです。株式やFXなどの投資で主に損切りをする場面があります。損切りをする目的は、損失を最小限に抑えることです。損切りを行うことで、損失額を確定し、次の投資へ向かうことができます。また、税金対策で特定口座などで損益通算し、次の年へのポジションを調整を行うことも有効です。しかし、安易に損切りをしてしまうとその後、株価が上昇し、チャンスを逃し、後悔をするケースもあります。本当に損切りをすべき銘柄なのかを分析することで損切りリスクを抑えることができます。そこで、損切りする銘柄を分析する方法を紹介します。2.損切りする銘柄を分析する方法2.1 その時点でのチャート分析をする過去の値動きからトレンドやパターンなどを把握し、今後の株価を予測する方法をテクニカル分析といいます。(株)三越伊勢丹HDのチャートを例に解説したいと思います。チャート出典先:ヤフーファイナンス 日本株2024年9月13日時点(株)三越伊勢丹ホールディングス【3099】:株価チャート - Yahoo!ファイナンス 2024年9月14日時点での株価は、2,263円です。*株価チャートの期間は、長めの期間で表示します。チャートで反発している箇所がトレンドのサポートラインになります。反発が多いほどサポートラインの強度を示します。サポートラインを超えれば、トレンドが変わった可能性があります。2024年8月5日の1,948円を下回る場合は損切りを検討する必要があります。2.2 PER、PBR、配当利回り、理論株価を確認する購入前や損切りをする前に必ずPER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、配当利回り、理論株価を確認しましょう。業績に応じて指標は変化します。 PER,PBRなどの基本的な計算式はこちら みんなかぶの理論株価の見方はこちら 一般的にPER(株価収益率)は15倍以下、PBR(株価純資産倍率)1倍以下であれば割安とされています。(株)三越伊勢丹HDを例にPER、PBRなどを確認してみましょう。表.(株)三越伊勢丹HDのPER,PBR,配当利回り,理論株価銘柄株価円PER倍PBR倍配当利回り理論株価(円)(株)三越伊勢丹HD2,26314.631.412.12%2,110評価-15>割安1<割高標準-153円割高 データ出典先:ヤフーファイナンス 日本株(株)三越伊勢丹ホールディングス(3099)2024年9月13日時点https://finance.yahoo.co.jp/quote/3099.TPERは割安で、その他の指標も大きく割高ではありません。若干、割高感があるものの、損切りするほどの割高ではありません。判断に迷う場合は、配当金や優待を貰い続けて保有し、様子見をすることも検討しましょう。2.3 業績を確認する直近の業績を確認することも大切です。業績が悪ければ下降トレンド、良ければ上昇トレンドになります。(株)三越伊勢丹HDを例に業績を確認してみましょう。 データ出典先:ヤフーファイナンス 日本株(株)三越伊勢丹ホールディングス(3099)2024年9月13日時点https://kabuyoho.ifis.co.jp/index.php?id=100&action=tp1&sa=report&bcode=3099(株)三越伊勢丹ホールHDは、2024年8月5日に決算発表をおこなっています。前年度やコンセンサスの予想を大幅に上回っており、通期の会社予想を上方修正しています。上昇トレンドの要因で株価が上昇しやすく、下落しにくいことが想定されます。今後の株価の動向を判断するためにも業績を確認しましょう。3.株価が下落した要因を考える!?ニュースなどで株価が下落した要因を追求します。2024年8月5日にブラックマンデーを上回る日経平均の下落が観測されました。コロナショックや円高などで日経平均が全体的に大幅下落したときは、反発が予想されるので買い相場、様子見相場と考えられます。特に初心者はマーケットの急変時は、株価の変動が激しく、難易度が高いので損切りを避けた方が良いでしょう。また、個別銘柄の業績の悪化、配当金の減配、優待の改悪、不祥事などは、下降トレンドの要因になります。したがって、個別銘柄のネガティブな内容は、損切りを検討する必要があります。(株)三越伊勢丹HDを例にニュースを確認してみましょう。データ出典先:ヤフーファイナンス 日本株(株)三越伊勢丹ホールディングス(3099)2024年9月13日時点https://finance.yahoo.co.jp/quote/3099.T/news?page=6&vip=off(株)三越伊勢丹HDの場合は、2024年8月9日のニュースで業績は良好で上方修正、配当金の増配が発表されています。上昇トレンドの要因となるので損切りの必要はないと想定されます。4.最悪、塩漬け株は無理に損切りせずに配当や優待を貰い続ける方法もあり!塩漬け株は、現物取引で保有している場合は信用取引みたいに、追加保証金や利息もありません。長期で保有して配当や優待を貰い続けていれば、含み損が解消したり、トレンドが好転して含み損解消し、損切りが不要になる可能性があります。(株)ジャックス(8584)を例に指標などを確認してみましょう。 銘柄株価円PER倍PBR倍配当利回り理論株価(円)(株)ジャックス3,8608.120.574.66%5,944評価-15>割安1>割安高配当2,084円割安データ出典先:ヤフーファイナンス 日本株(株)ジャックス(8584)2024年9月18日時点https://finance.yahoo.co.jp/quote/8584.T (株)ジャックス(8584)は、ベトナムやインドネシアで長引く市況の低迷が要因で、取扱高の減少をはじめ、未収債権残高の高止まりに伴う貸倒関連費用の増加で、25年3月期連結業績予想を下方修正しています。配当予想も210円から180円に減配しており、下降トレンドです。しかし、株価は割安な水準で、他の企業に比べて高配当です。(株)ジャックス(8584)を現物で100株購入し、保有して配当を貰い続けた場合を想定してみましょう。 100株保有している場合の1年間の配当金は、180円/1株×100株=18,000円減配なしで10年間同じ配当金を貰った場合は、18,000円×10年=180,000円減配なしで20年間同じ配当金を貰った場合は、18,000円×20年=360,000円減配なしで30年間同じ配当金を貰った場合は、18,000円×30年=540,000円となります。*あくまで、今以上の業績を維持し続けた場合の想定です。 まとめ損切りする銘柄を分析し、業績やニュースを確認することで損切りの精度を上げることができます。しかし、投資初心者の場合、マーケットの急変時などは損切りの判断が難しいです。損切りのリスクを減らすために、分散して積み立て投資することが大切です。現在では、ポイント投資や単元未満株投資が簡単に行えます。また、損切りが必要になる無理な信用取引や無計画なナンピンをしないことも大切です。最終的に損切りを最小限に抑え、利益が出せるよう長い目で投資していきましょう。