カテゴリ:観劇&コンサート
先週末、今期のMETのnew productionの目玉「マダム・バタフライ」を見に行った。
話題作で土曜日の夜の公演ということもあり、満席だった。 監督はアカデミー受賞作「イングリッッシュ・ペイシェント」で有名なアンソニー・ミンゲラ。 長崎の坂をイメージした、黒塗りの光沢のある床が舞台の奥から斜面状に敷き詰められており、 天井には黒塗りの床を映し出す鏡が舞台奥から前方へ斜めにセットされていた。 舞台の奥の鏡と床にはさまれた背景空間は、まるで映画の画面のように、横に長い長方形にぽっかりと開いており、そこから登場人物が現れてくるという斬新なものだった。 背景の色は、そのときによってさまざまに変化し、人物を浮かび上がらせる。 抽象的な空間の中で、黒格子の障子を黒子達が移動させることで、場面を変化させていた。 衣装は、日本人が見たら現実的にはおかしいとつっこみたくところだが、 オペラという大舞台なら、かえって、その派手さや不思議さが魅力になるのかもしれない。 蝶々夫人の子供はあえて生身でなく、文楽人形を使っていたのも、とても興味深かった。 3人の人形使いが子供を操る。 子供の不安定なあどけなさ、悲しみが、かえって生身の子供を使うより表現されていて、非常に良い演出だと思った。 METの舞台演出にはいつも感動するが、今回は、特に斬新で面白かったと思う。 蝶々夫人役のCristina Gallardo-Domâsの歌と演技も見事だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.13 03:10:42
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