カテゴリ:ダイビング
今から9年くらい前だったろうか、ミャンマー領海で潜ったことがある。
日本からタイのプーケットまで飛んで、そこからバンに乗せられ悪路を4~5時間走り、タイとミャンマー国境付近の港からダイブクルーズに乗船した。 港を出てすぐに、ミャンマー領海に入るので、船にミャンマーの入国管理官が乗り込んできて入国手続きを行った。 ビザの発行手数料が、140~150ドルも取られた記憶がある。 さすが、アコギな軍事政権だけあって、ぼったくるなぁ~と思ったものだ。 私の事前調査では、ミャンマーの海はサメの宝庫だということだった。 いろんな大型のサメに遭える確立が高いということで、行くことにしたのだ。 しかし、船の冷房がきつくて、私は疲れもあり体調を崩し、2日目の朝には高熱が出てひどい風邪をひいてしまった。 それでも、硬派ダイバーの私としては、高熱と、サイナスが詰まって耳抜きのできない最悪の体調と戦いながら、無謀にもなるべく頑張って潜る努力をした。 それにもかかわらず、期待していたサメに殆ど遭えない。 大型どころか、小型のサメすらめったにいないのだ。 業を煮やしたダイブマスターが、集めた魚の血を流したりしたが、寄ってきたのは、ナースシャークという2メートル位のやや大型だがとってもおとなしい目のかわいいサメが1匹だけだった。 ガイドさん一押しの「Black Rock」という魚影のめっちゃ濃いポイントにかけたが、潜ると透明度の良い海中には、濃い魚影どころか、1匹の魚も見あたらない。 珊瑚もボロボロで、50分潜って、2センチくらいの魚を1匹岩陰に見つけただけだった。 稀に見る魚のいなさすぎるまさに死の海のようなポイントでびっくりした。 船に上がると、ガイドさんが「ひどすぎる..」と泣いていた。 以前潜った時は、すごい数の魚で前が見えないくらいで、珊瑚も美しい、ミャンマーでも有数の絶好ポイントだったのに、どうやら、ダイナマイト漁で魚が根絶やしにされたみたいだとのことだった。 もしかしたら、見境のないダイナマイト漁のせいでサメも激減したのかもしれない。 ただし、まだ、他に、珊瑚がとても元気で美しいポイントもあったのですくわれる思いだったが、あそこも今はどうなっているかと心配である。 専制的な軍事政権は、自国の民を弾圧するんだから、まして貴重な自然を守ることなんて絶対にしないだろう。 無知な漁師が、将来自分の首を絞めることになるような破壊的なダイナマイト漁をしても、誰も止めることもないから、無念でならない。 ミャンマーの悲惨な現状をニュースで見ると、あの死の海の情景と重なって、悲しい気持ちになった。 事態が良い方向になることを祈るのみだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.29 13:54:09
[ダイビング] カテゴリの最新記事
|
|