カテゴリ:温泉&宿
鹿児島から神戸に陸廻りで帰る時の2泊目は山口県の湯田温泉の「西村屋」。
高速道路からアクセスが良いのと湯量が多いことから湯田温泉にしたのだ。 湯田温泉は街中に位置し、老舗の旅館がひしめく。 その中でも、詩人中原中也が結婚式を挙げ、俳人山頭火がしばしば訪れたという由緒ある老舗の宿が「西村屋」である。 外観、ロビー共に古い感じで昔ながらの旅館という風情。 ”料理長の四季懐石”というプランで予約したが、案内された部屋は2階の”さつきの間”という中庭に面した部屋だった。 部屋も古めかしい感じで、同じく年季の入った床置きのエアコンと地デジ対応の最新型液晶TVがなんとも不思議なコラボレーションといった風情だ。 お風呂はそれぞれ、内湯と露天があり、午後9時に男女が入れ替わる。 泉質はアルカリ性単純温泉いわゆる美人の湯になる。 この宿を選んだ一番の理由は、加水、加温なしの完全掛け流しということだ。 敷地内に沸く温度の低い温泉と温度の高い温泉組合からの配湯とを混ぜて適温にしているとのこと。 だから、お湯に関しては高レベルだった。 おー、ますます美人になって困っちゃう!?というやつだ!? ただ、60~70代くらいのおばさんの集団が露天を占領して動かなかったのはちょっとまいったが。 さて、料理はやっぱりやぼったさを感じた。 鱧の鍋がまあまあだったが、鱧の天ぷらは変に何かを巻いて揚げてあっていまいち、あっさり揚げた方がおいしかったろうにと思った。 デザートのイチジクは冷凍ものを解凍したみたいで、べちょべちょでまずかった。 朝ご飯も、なんだか物足りなかった。 老舗なので、建物や設備にあちこちほころびがあり笑っちゃうほほえましさもあったが、冷水が入っていたポットの年季の入りようのすさまじさは筆舌に尽くし難かった。 後でなんで写真を撮っておかなかったのかと悔やまれる。 まさしく、私の幼少時代に家にあった型のポットで、表面が恐ろしく壮絶にサビまくっており、その腐食が魔法瓶の内部まで到達していないのが不思議な位で、高度成長期の「メイド イン ジャパン」の物作りの極みに深く感銘を受けると同時に、腹の皮がよじれる程の笑いが私を襲ったのだった。 帰りは仲居さんもちゃんと荷物を持って見送ってくれ気分良く出発できた。 終わりよければ全て良し..か。 なかなか面白い旅館なので、一度訪れてみるのは一興であろう。 その場合は、何をおいても、冷水ポットは必見!である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.08.16 00:54:32
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