カテゴリ:本、雑誌、記録
ドナルド・キーンさんについて読んできた本を紹介します。
キーンさんが日本語を習得し、米国海軍の通訳としてアリューシャン列島のアッツ島、キスカ島に行き、日本人兵士の玉砕を見たり、神風特攻隊が船に当たるのを目撃したり、ハワイで日本兵の日記を見つけたり、沖縄で日本人を探して洞窟に入っていったり、日本人捕虜を日本語で尋問したりという話がすごく印象に残っています。 ↑ 「英文収録 おくのほそ道/松尾芭蕉/ドナルド・キーン訳/講談社学術文庫」 松尾芭蕉とドナルド・キーン氏の英文が収録されており、どのように訳されたかを見ると勉強になる。 ↑ 「日本文学史 近代篇一/ドナルド・キーン著/徳岡孝夫訳/中央文庫」 近所の図書館に中央公論社の「日本文学史」が15巻まであり、調べたい部分はそこで読んでいたが、松尾芭蕉の部分はよく見るので、文庫本を買って手元に置いた。 「 ↑ 「ドナルド・キーン自伝/ドナルド・キーン/角地幸男訳/中央文庫」 学校時代から飛び級をされて、神童であったと思う。16歳でコロンビア大学に入学し、源氏物語と出会い、海軍日本語学校に入ったり、太平洋戦争を経験され、仕事が無いとされた日本語と関わりを持ち続けようとした事が書いてある。人生の縁、出会いの不思議さを思った。 ↑ 「果てしなく美しい日本/ドナルド・キーン/足立康訳/講談社学術文庫」 アメリカ人向けに現代日本と日本人について書かれ、日本文化の紹介もされている。 ↑ 「街道をゆく39 ニューヨーク散歩/司馬遼太郎/朝日文庫」 キーンさんがニューヨーク・コロンビア大学で退官記念式典を行うので、司馬遼太郎さんが参加した時の事が書いてある。キーンさんが「先生」と呼ぶ角田柳作教授についても紹介されている。 司馬遼太郎さんは、ブルックリン橋がどのように建設されたかとか、下田に来て日米通商条約を締結したハリスの墓がニューヨークにある事など詳しく書かれており、知識の豊富さに驚かされる。 ↑ 「司馬遼太郎の遺産 街道をゆく/朝日新聞社編/朝日文芸文庫」 「なつかしい人」という題で、ドナルド・キーンさんが司馬遼太郎さんの思い出を寄稿している。 ↑ 「司馬遼太郎対話集5 日本文明の形/司馬遼太郎/文春文庫/」 日本人と日本文化、世界の中の日本というテーマで、司馬遼太郎さんとドナルド・キーンさんが対談をしている。 ↑ 「対談集 日本人への遺言 /司馬遼太郎/朝日文庫」 この中のロナルド・トビさんはイリノイ大学教授で、コロンビア大学院で助手時代にドナルド・キーンさんに「出版文化の誕生と近世の大衆文化」というタイトルで講演していただいた事が書いてある。 ↑「二つの母国に生きて/ドナルド・キーン/朝日文庫」 ドナルド・キーンさんのエッセイ集。なぜ日本に来たかという話から、日本の能などの芸術や、三島由紀夫など日本の著名な作家について書いてある。 ↑「日本人の質問/ドナルド・キーン/朝日文庫」 日本人がキーンさんに、なぜ日本語を学んでいるのかとか、日本語は難しかなどと、いつも同じ内容の質問をするので、その問答集が書いてあり面白い。 ↑「日本人の美意識/ドナルド・キーン/金関寿夫訳/中央文庫」 日本人の美意識はどこから来ているのか、日本の文学、演劇、文化の中から考察している。 ↑「日本との出会い/ドナルド・キーン/篠田一士訳/中央文庫」 キーンさんの人生の分岐点が沢山あり、一か所でも別の流れに行くと、日本語ではなく他の国の勉強をしていたのではないかと思うと、日本語を選ばれた奇跡を思わずにはいられない。 ↑「日本語の美/ドナルド・キーン/中公文庫」 この中に「司馬さんと私」というページがあり、司馬遼太郎さんが朝日新聞の編集局長に、キーンさんを雇うべき」と発言し、結局キーンさんが新聞社の社員になったという有名な話が入っている。 ↑「音楽の出会いとよろこび/ドナルド・キーン/中矢一義訳/中公文庫」 キーンさんのクラシック好きが良く分かる。もし私にクラシックの知識がもっとあればと思った。 キーンさんはアリューシャン列島に派遣されたが、筆舌につくしがたい土地であり、アッツ島作戦が完了して撤退するときは大喜びであった。しかし、キスカ作戦のため再びアリューシャンに行くことになった時は、荷物に蓄音機と詰められる限りのレコードを詰め込んで出かけたとの事。 ↑「日本人の戦争 作家の日記を読む/ドナルド・キーン/角地幸男訳/文春文庫」 大東亜戦争が始まった1941年から終戦後の1946年まで、日本の作家がつけた日記の抜粋をまとめている。永井荷風、高見順、伊藤整、山田風太郎などの日記がある。 ↑「対訳 21世紀に生きる君たちへ/司馬遼太郎/ドナルド・キーン監訳/ロバート・ミンツァー訳」 小学生の教科書に掲載されている「人間の荘厳さ」、「21世紀に生きる君たちへ」、「洪庵のたいまつ」が紹介されている。 この中では「洪庵のたいまつ」が好きな文章。緒方洪庵が大阪で適塾を開く。オランダ語を学ぶため、日本中から希望者が集まった。生徒は毎日寝る間も惜しんでひたすらオランダ語を勉強しつづけた。洪庵の意思は生徒に受け継がれ、近代日本に大きな影響を与えた。 ↑「別冊太陽 日本のこころ254 ドナルド・キーン 日本の伝統文化を思う/平凡社」 キーンさんの小さい頃からの写真、手紙などが掲載されていて、どのような人生だったのかが大変分かりやすく理解できる。 ↑「和樂 ニ、三月号/小学館」 娘が買った雑誌で、借りて読んでいると、ドナルド・キーンさんの文章があった。 ↑「戦場のエロイカ・シンフォニー 私が体験した日米戦/小池政行藤原書店 キーンさんが実際に体験された太平洋戦争の事が、詳しく書いてある。 「昨日の戦地から 米軍日本語将校が見た終戦直後の亜細亜 松宮史朗訳 中央公論新社 ↑ 太平洋戦争が終結して間もなく、キーンさんなど米軍将校がお互いに手紙をやりとりしながら当時の記録を残したものをまとめた本。読んで面白かった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.03.10 23:26:26
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