カテゴリ:美術 / Art
2019年9月15日、上野の東京都美術館で「コートルド美術館展 魅惑の印象派」を見ました。
イギリス・ロンドンのサミュエル・コートールド氏は、レーヨンの製造、販売で得た利益で、多くの印象派の絵画を購入してコレクションにしました。 この展覧会で一番楽しみにしていたのは、マネの「フォリーベルジェールのバー」です。この絵は、私の好きな絵ベスト5に入っています。オランダに住んでいたときに、この絵を見る機会があり、大型ポスターを美術館で買って部屋に貼りました。 当時は毎月パリに遊びに行きました。事前にフォリーベルジェールに電話をして予約をし、何回もショーを見て食事をした思い出があります。食事は2種類の中から選ぶようになっており、いつもは食べない物を選ぼうと思い、フォアグラのパテを注文していました。他の客は料理を残すのに、私はいつも完食するので、顔見知りになったウェイターの方がいつも素晴らしいと褒めてくれました。 マネが描いたフォリーベルジェールは、このような雰囲気だったのだろうかと思いながら、ジョセフィン・ベーカーやジャン・ギャバンが出たと言う舞台のショーを見ていました。 マネはこの絵を描くため、病気なのに何度もフォリーベジュエールに行っています。そして自宅にもバーカウンターを再現し、フォリーベルジェールからシュゾンさんという女性を呼んで描いています。 シュゾンさんは画面の中央に立っているのに、鏡に映る姿が大きく右に描かれており、この絵は構図がおかしいという意見がありますが、私はシュゾンさんが正面に立っているからこそ、この絵がとても魅力的に見えると思うので、構図については気になりません。 美術館では気が済むまでずっとこの絵を眺めていました。本当に幸せな気持ちでした。 ずっと見ていると、シュゾンさんが河合奈保子さんに見えてくるから不思議です。脳の中では好きな絵画と奈保子さんの映像が重なっているのかもしれません。 この絵の向かって左端の赤いボトルのラベルには、「manet 1882」とマネのサイン、西暦が描いてあります。左上の隅には、ブランコに乗っているダンサーの足が見えます。 作家の池波正太郎さんの本には、フォリーベルジェールの事が書いてあります。特に「フランス映画旅行/池波正太郎/新潮文庫」は、読むと勉強になります。フランス映画に対する愛情がすごいです。 ↑ 東京都美術館「コートールド美術館展・フォリーベルジェールのバー」で記念撮影。 ↑ 東京都美術館。 ↑ 東京都美術館。コートールド美術館展入口。 ↑ フォリーベルジェールのバーに描かれた、モデルのシュゾンさん。 ↑ 鏡像の後ろ姿は、異常に右側にずれている。 ↑ 男性のモデルは、画家のガストン・ラトゥーシュ。 ↑ 秘められた物語 マネ最晩年の傑作。 ↑ ボトルのラベルに「manet 1882」と描いてある。 ↑ 白い服に黄色い手袋の女性は、マネの友人のメリー・ローラン。 ↑ オペラグラスで他の客の姿、衣装を見る。 ↑ コートールド氏の自宅を再現している。 ↑ マネの「桟敷席」。 ↑ マネの「フォリーベルジェールのバー」をずっと見ていると、なんだかシュゾンさんと河合奈保子さんが似ているように思えてくる。 ↑ 河合奈保子さん。 ↑ 河合奈保子さん。 ↑ 2019年8月21日 朝日新聞。 ↑「フォリーベルジェールのバー」のX線画像。右側の女性の姿を、何度もずらして描き直しているのが分かる。 ↑ 「フォリーベルジェールのバーのための習作」。 個人的には、真正面を向いた絵が好き。 ↑ 2019年9月5日 朝日新聞。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.11.05 04:39:10
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