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2021.07.01
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カテゴリ:美術 / Art
メカニックデザイナーで有名な大河原邦男(おおかわらくにお)さんですが、竜の子プロダクションに入社され、『科学忍者隊ガッチャマン」でデビューされました。

「メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人/大河原邦男/光文社/2015年8月20日発行」を読むと、大河原邦男さんが「科学忍者隊ガッチャマン」の仕事をするきっかけや、「科学忍者隊ガッチャマン」のタイトルロゴが採用されて、それがデビュー作になった事が書かれています。このロゴは独特なデザインで、当時私は、ロゴを真似て紙に写したりしていました。


大河原邦男さんはアニメ制作会社の竜の子プロダクション(現・タツノコプロ)に入社し、美術課に配属され、アニメ用の背景を描かれていました。上司は中村光毅(なかむらみつき)さんです。中村さんは大変人気のあった「マッハGоGоGо」(1967年)や「ハクション大魔王」(1969年)、「昆虫物語 みなしごハッチ」(1970年)の美術監督をされていました。

大河原さんが研修中、新企画が立ち上がり、美術監督になった中村さんが「大河原君、今度の企画は『007』みたいにいろいろ小道具などが出てくるんです。機械やメカを設定する人が必要なのですが、私ひとりではちょっと荷が重すぎるんですよ。もし興味があるんだったら、この作品に関してメカを設定するセクションを作るからやってみませんか」と声をかけたそうです。(P27)

その頃はまだ新企画の名前が決定されておらず、『バードマン』や『シャドウナイツ』などと呼ばれていましたが、やがで、新作アニメの名前が『科学忍者隊ガッチャマン』と知らされたそうです。(P28~29)

p29で「タイトルロゴを任される」という部分があります。
「(科学忍者隊ガッチャマンという)タイトルが決まると、今度はタイトルロゴをつくらなくてはなりません。
当初、『バードマン』と呼ばれていたくらいですから、『飛んでいるようなロゴで』というオーダーが美術課に届き、その仕事が私のところに来ました。『ガッチャマン』はカタカナです。デザイン的にカタカナに傾斜を入れると、違う字に見えることもある。『チ』が『テ』に見えたり、『ン』が『ソ』に見えてしまってはタイトルとして用をなさない。
そんなことを考えるとタイトルロゴデザインという仕事はなかなか難しい。しかし、私はグラフィックデザイナーでもないし、ひとつひとつ微妙なバランスを考えていると大変なので、『科学忍者隊ガッチャマン』という文字からなるひとつの絵として考え、美大で習ったレタリング時の法則性は一切無視して仕上げました」

「中村さんにロゴを提出すると、じっと見て『じゃあ、これでいこう』とロゴを机の上に置きました。一切直しはなく、一発ですんなり採用されました。
こうして『科学忍者隊ガッチャマン』のタイトルロゴが、私のデビュー作となりました」(P30)

本を読むと、「ガッチャマン」のロゴの経緯が分かり、とても興味深かったです。



「科学忍者隊ガッチャマン」のタイトルロゴ。









↑ メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人/大河原邦男/光文社」


↑ もくじ。「ガッチャマン」の文字が見える。

↓ P31。
大河原邦男さんのデビュー作となった『ガッチャマン』のタイトルロゴ。





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最終更新日  2021.07.18 10:43:08
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