2980915 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

星とカワセミ好きのブログ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2021.07.08
XML
カテゴリ:本、雑誌、記録
2020年12月6日、東京都文京区に行ったとき、ジャーナリスト・立花隆さんの事務所で有名な「ネコビル」を撮影しました。

「立花隆のすべて/文藝春秋編」p39にビルの事が説明されています。
立花隆さんは平成4年(1992年)、東京都文京区小石川に書斎兼事務所ビルを建てられました。ビルの構造は、建坪27平方メートル、鉄筋コンクリート地上3階、地下1階建て、各階ワンルームで、設計は立花さんの上野高校以来の友人・河合尹盛(ただもり)さんです。

ビルの壁面には巨大な黒猫が描かれています。立花さんの友人で舞台美術家の妹尾河童さんが発案し、デザインされました。妹尾さんの友人の画家・島倉二千六(ふちむ)さん率いる「アトリエ雲」の4人が3日がかりで描き上げたそうです。

ビルの中は本だらけですが、何冊あるか立花さんは把握しておらず、ビルを建てた頃は35,000冊くらいだったのが、その後増えていき、どうも10万~20万冊の間くらいはあるのではないかとのことです。(立花隆の書棚/立花隆・薈田純一写真/中央公論新社)p4。

「ぼくはこんな本を読んできた 立花式読書論、読書術、書斎論/立花隆/文春文庫」p185~201に、舞台美術家でエッセイストの妹尾河童さんが「立花隆さんの仕事場 『ネコビル』顛末記」という文章を書かれていますので、少し紹介します。

1991年秋のある日、夜の二時過ぎに立花さんから妹尾さんに電話がかかり、「仕事場のビルを建てている最中だけど、ちょっと見てもらいたい」との話で、妹尾さんは深夜にビルを見にいったそうです。
立花さんが「このビルの壁で何かおもしろいことをして遊べないかなあ?」と言ったので、妹尾さんが黒猫ビルのアイデアを出すと、立花さんが「じゃ、河童さんがその絵を描いてくれる?」と依頼しました。
妹尾さんは、「ぼくの友人で、映画や芝居の巨大な背景画を描いている『アトリエ雲』というグループの島倉二千六(ふちむ)という画家がいるんだけど、頼んでみようか?」と提案しました。翌日、島倉さんは「面白い、ぜひやらせて下さい」と快諾でした。

作業ですが、足場を組みビル全体を塗料で真っ黒に塗ってから、アクリル系の水性塗料で猫の顔を描くことになりました。作業には島倉さん率いる『アトリエ雲』の三人の若者や、妹尾河童さんの御子息で美術家の妹尾太郎さんが参加されました。
猫の目の位置をどこにするかとか、間抜けヅラの猫顔になりそうなので、調整して描いた事が書かれています。

完成した時の事も妹尾さんは記載されています。(p190~191)
「真向いの人は、『これから毎日この猫に睨れるんだなあ』と悲鳴のような声をあげた。ぼくは、『デカイ招き猫を家の前に置いたようなもんですから、これから縁起のいいことがありますよ』と口から出まかせの無責任なことをいって慰めた」

その後、妹尾さんは文藝春秋の「本の話」の編集部から、「ネコビルの中を、立花ファンの読者は覗きたいでしょうから、”河童流俯瞰図”で描いてもらえませんか? 各階ごとに資料や本がどうなっているか? できるだけ克明に・・・・」(p192)

p196~201には、妹尾さんが描かれた、ネコビルの俯瞰図が紹介されています。地下一階から3階まであります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【東京都文京区小石川にある、立花隆さんの「ネコビル」】





↑ 六角坂の曲がり角にある「ネコビル」。



↑ ネコビルの入り口。



↑ ネコビルの黒猫の顔。











↑ ネコビルと、六角坂の紹介板。

↑ 六角坂(ろっかくざか)
「六角坂は上餌差(かみえざし)町より伝通院の裏門の前に出る坂なり。古くより高家六角家の屋敷の前成る坂故にかくいへり」(『改撰江戸志』)とある。『江戸切絵図』[万延2年(1861年)の尾張屋清七板]をみると、この坂が直角に曲がっているあたりに、六角越前守の屋敷があったことがわかる。
餌差町は、慶長年間(1596~1615)、鷹狩りの鷹の餌となる小鳥を刺し、捕らえることを司る「御餌差す衆」の屋敷がおかれた所である。近くに歌人・島木赤彦(しまぎあかひこ)が下宿し、『アララギ』の編集にあたった「いろは館」があった。
東京都文京区教育委員会 昭和63年3月

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


↑ 立花隆のすべて/文藝春秋編。


↑ p33。小石川「猫ビル」探検記。

ーーーーーーーーーーーーーーーー


↑「ぼくはこんな本を読んできた 立花式読書論、読書術、書斎論/立花隆/文春文庫」



↑ p185。
妹尾河童(舞台美術家・エッセイスト) 立花隆さんの仕事場『ネコビル』顛末記。


↑ p200~201。 妹尾河童さんが描いた、ネコビル3階の内部。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


↑ 立花隆の書棚/立花隆・薈田純一写真/中央公論新社。








↑ 目次。


↑ ネコビル全図。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021.07.24 04:42:24
コメント(0) | コメントを書く


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

カテゴリ

バックナンバー


© Rakuten Group, Inc.
X