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星とカワセミ好きのブログ

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2023.07.09
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カテゴリ:本、雑誌、記録
101年の歴史がある「週刊朝日」が、2023年6月9月号で休刊となりました。

表紙は「昭和の『週刊朝日』編集部」がテーマです。
昔電車に付いていた中吊り広告も編集部に飾ってあります。
岡田有希子さんの笑顔が表紙にある週刊朝日が写っており、とても懐かしかったです。


↓ 週刊朝日 2023年6月9日号。
「101年間、ご愛読ありがとうございました」



↓ 写真家の浅田政志さんが撮影した「昭和の『週刊朝日』編集部」
33人のスタッフ全員の動きを撮影。
片観音表紙3面で展開したのは、合成一切なしの一枚写真。











ーーーーーーーーーーーーー
週刊誌風雲録/髙橋呉郎/文藝春秋/文春新書



「週刊朝日」の有名な編集長「扇谷正造氏」の話が面白い。

p18
昭和22(1947)年6月末、朝日新聞東京本社で人事異動があった。整理部デスクの扇谷正造は編集局長から「『週刊朝日』の副編集長になってくれないか」と内示を受けた。このささやかな人事異動が、週刊誌時代の扉を開いたといっても過言ではない。

p19 
扇谷の異動が決まると、早くも「週刊朝日」編集部には、「こんど凄いやつがくるらしい」という噂が伝わってきた。初登場の模様は、こんな具合だった。
「君ッ、君はなにをしているッ。」
新人記者Aの背中に、後方から扇谷の声が飛んだ。
「新聞を読んでます。」
「ナニッ、新聞記者が社へ出てきて新聞を読むとはナニゴトだ。家を出る前に全部に目を通してくるんだッ。」

p20~21
手はじめに新人には短いコラムの原稿を書かせた。原稿を読んだ扇谷から、こんな罵声が飛ぶ。
「足は弱いし、頭は悪いし、のろまだし、記事は書けねェし・・・使いものにならねェや」(『巷説出版界』)
取材の足りない部分を指摘し、さらに書き出し、語句のつかい方、句読点の打ち方に至るまで、罵詈雑言まじりの説教が延々とつづく。途中で泣き出す部員もいた。ダメを出された原稿は、再取材して、書き直す。ある新人は、600字足らずの「火葬場」というコラムを書くのに、5日間、火葬場に通った。連日、黒板の行先に「火葬場」と書かれているので、隣の部署のデスクが訝って「こんどの新人は、家に不幸があるのかい」と訊きにきた。
扇谷の新人教育は、当時の流行でいえば「洗脳」だった。それまで、部員が自分なりに考えていた記事の書き方を、すべて捨てさせる。が、この扇谷洗脳に、もし、取柄があったとしたら、それは、依怙贔屓なしに、全員に行きわたったということだろう。しかも、新人教育だけでは終わらなかった。一人前と認めてからも、記事のできしだいでは、容赦なく罵詈雑言を浴びせた。

私が編集者になったとき、すでに扇谷は「週刊朝日」編集長を勇退して、出版局次長に昇格していたが、扇谷の説教の凄まじさは伝説のごとくに伝わってきた。編集部員が一週間に最低ひとりは、説教中に貧血を起こして倒れたという。

p70
「週刊朝日」は昭和32年(1957年)に黄金期を迎える。昭和33年(1958年)の新年号は150万部を発行した。日本の週刊誌界で、この数字は、いまだに破られていない。
扇谷は読者層の大きな部分に家庭の主婦を意識した。その編集方針は「週刊朝日」が家庭で読まれる雑誌であることを前提にしている。扇谷自身は「ホーム・ジャーナル」という言葉をつかっていないけれど、ホーム・ジャーナルの王国を築いた。






週刊誌風雲録 目次部分 /髙橋呉郎/文藝春秋/文春新書









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週刊朝日 2023年5月5日、5月12日合併号。
休刊まであと5号。


↓ 「週刊朝日」をにぎわせた文芸企画たち 第1回/重松清。
『新・平家物語』から『ブラック・アングル』まで。



週刊朝日 2023年5月19号。
休刊まであと4号!。


↓ 「週刊朝日」をにぎわせた文芸企画たち 第2回/重松清。
作家、書斎を出る 開高健と司馬遼太郎。



週刊朝日 2023年5月26号。
休刊まであと3号!。


↓ 「週刊朝日」をにぎわせた文芸企画たち 第3回/重松清。
知性と毒と笑い 読者を巻き込む投稿企画。



↓ 週刊誌と週刊朝日の100年 第1回 編集部のいちばん長い日/安田浩一」
101年の歴史に幕を下ろす「週刊朝日」。週刊誌というメディアがこの社会にもたらしたものは何だったのか。そして週刊誌の未来はー。
短期連載の第1回は、販売の最前線、そして苦闘する週刊誌の現場から。



週刊朝日 2023年6月2号。
休刊まであと2号!。


↓ 週刊朝日イラスト大集合!
名物連載「ブラック・アングル」が、ついに表紙に登場。「週刊朝日」の紙面を彩った数々のマンガのキャラクターやイラストと共に復活しました。
最初で最後の表紙をとくとご堪能あれ!


↓ 週刊誌と週刊朝日の100年 第2回 それは大阪から始まった/安田浩一」
大阪・中之島に忽然と現れた「大阪朝日新聞」。”スクープ第一主義”を掲げる「週刊誌の鬼」。
部数を急増させる出版社系週刊誌に対抗して打ち出した新機軸ー。
「週刊朝日」がたどってきた道を探る。



週刊朝日 2023年6月9号。
101年間、ご愛読ありがとうございました。


↓ 週刊朝日1980年1月25日表紙 宮崎美子 熊本大学/俳優・タレント
1980年1月。公募モデルが表紙を飾った。
篠山紀信氏が撮影した熊本大生のはにかんだ笑顔は、日本中で話題に。
本紙名物・女子大生表紙はこうして始まった。


↓ 週刊朝日とわたし。いまは、さよならを、するけれど・・・。


↓ 週刊誌と週刊朝日の100年 第3回 この長い下り坂の先に/安田浩一」
歴史の目撃者として、事件の野次馬として、大衆とともにあり続けた週刊誌。
ネット時代の幕開けとともに始まった長い下り坂。
この先には、いったい何があるのかー。




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↓ サンデー毎日 2023年6月11日号。
『週刊朝日』休刊に捧げる!サヨナラ・・・101年の同志でライバル。


↓ 『週刊朝日』休刊に捧げる雑誌文化論(前編)/作家・音楽プロデューサー 松尾潔
本紙(サンデー毎日)にとっては101年にわたるライバルにして同志、そして本音を言えば「目の上のタンコブ」でもあり続けた『週刊朝日』が休刊を迎える。週刊誌文化の一大転換期とも思えるこの事態を、「週朝」愛読者歴なんと50年、本紙執筆者でもある松尾潔氏が、渡部薫編集長(週刊朝日)に本音で迫りながら、前・後編で徹底解析する。



↓ サンデー毎日 2023年6月18日号。
『週刊朝日』休刊に捧げる(後編)



↓ 『週刊朝日』休刊に捧げる雑誌文化論(後編)/作家・音楽プロデューサー 松尾潔
ついに『主観朝日』は101年にわたる歴史を閉じたが、その最終号はかつてない話題を呼んでいる。土壇場で旋風を巻き起こした週刊誌の、いまだに尽きない魅力とは何か?
休刊を迎えた渡部編集長(週刊朝日)の本音とは?
「週朝」愛読者歴50年の松尾潔氏による必読の現代雑誌文化論。
週刊誌は紙で読み飛ばせる貴重な文化。



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日経ビジネス 2023年6月26日号


↓p56~57
週刊朝日、101年の歴史に幕。
渡部薫氏(週刊朝日編集長)

日本初の総合週刊誌として1922年に創刊した「週刊朝日」が5月末に休刊となった。
最盛期の発行部数は154万部。「デキゴトロジー」や「恨ミシュラン」といった人気連載も多く生んだ。
ネットの無料記事に押される形で退場するが、読者と共に作り上げた「週刊朝日スピリット」は忘れない。



↓ 週刊朝日は2023年5月末をもって休刊しました。長い間、支えていただいた読者の皆さまに心から感謝するとともに、深くおわび申し上げます。
近年は、ネットにあふれる無料の記事に押される形の雑誌不況と新型コロナウイルス禍の影響によって発行部数を減らしていました。部数減は広告出稿数の減少につながります。刷れば刷るほど赤字という構図に耐え切れず、101年の歴史に幕を下ろすに至りました。





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最終更新日  2023.07.09 10:34:27
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