薀蓄253-『老家風景』
夢を見た。実家へ続く道を、自転車で走っていた。夏の良い天気。そこかしこから蝉の声が聞こえる。そんな田園風景の一本道を自転車で走っていく。繰り返される田圃と同じ間隔で植えられた電信柱、そして止まない虫の声。高く、青い空。同じような風景がどこまでも続く。本当に着くのだろうか、という不安が、ちら、と過ぎる。風を受けて自転車を漕ぎながら、よく「狐に化かされて迷う」というのはこんな心境を指すのだろうか、とぼんやり考えた。「・・・。」しかし、それは他愛もない妄想。半時ほども走っただろうか。見覚えのある屋根が見えてきた。「おかえり。」祖母の笑顔が迎えてくれた。そんな夢だ。追記:>『老家風景』『老家』(lao3jia1 らぁおじゃー)は「故郷」『風景』(feng1jing3 ふぉんじぃん)は「風景」そんな熟語があるわけではありません。