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カテゴリ:本&絵本
ピーター・ラヴゼイのダイヤモンド警視シリーズ。 でも、この時は元警視。 昔かたぎで科学捜査が嫌い。 「最後の刑事」とも揶揄される(シリーズ1作目の表題)ダイヤモンドは、辞表を叩きつけて、バースのエイヴォン・アンド・サマセット署を辞めてしまったから。 ロンドンのハロッズで警備をしている所から始まります。 ところがダイヤモンドの担当売り場で、閉店後に幼い少女が見つかるという事態が起こり、みんなに同情されながらも、警備の責任上クビに。 この少女、どうも日本人らしいのですが、不思議なことに誰も名乗りを上げず、身元がわかりません。 言葉を話さず、自閉症ではないかということで、自閉症の子どものための施設に預けられています。 何かこの少女のことが気がかりで、暇もあるダイヤモンドは、施設に通って少女を見守ります。 少女との間に、かすかなかすかな交流が生まれて行く様子が中々いいです。 やっと少し心が通じたと思った矢先、少女が誘拐され、少女を追って、ダイヤモンドはなんとニューヨークに、日本にと、大活躍。 背景に国際的な薬メーカー。 そして、なんとロイヤルアルバートホールに興行に来ていた、日本の大関も登場して、捜査に大きな役割を果たします。 ラヴゼイの描く日本の中での力士の存在は、実際よりももっと尊敬され、神秘的で大物な感じで、なるほど~と思いましたが、今の角界を考えるとすごく残念な感じですね。 ダイヤモンド警視の人柄が伝わり、犯罪の性質はすごく今日的で、サスペンスとしてもおもしろく、特に日本人には興味深い内容になっています。 この事件解決の功労によって、次の『バースへの帰還』で警察に復帰します。 シリーズでは、『バースへの帰還』と『猟犬クラブ』が、本格ものとしての評価が高いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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