|
こんにちは!中之島タキシードです。 私は、大阪市にある中之島公園に住んでいた元野良猫です。 今は2人の秘書たちをこき使って、仲間たちのことをブログで紹介しています。 「野良猫」と一括りで呼ばれる仲間たちですが、1匹1匹とても個性豊かで、一生懸命生きていることを多くの人たちに知っていただきたいと考えています。 私が住んでいた中之島公園は、大阪市役所や中央公会堂などが林立するビジネス街にあります。 そこには、かつて70匹以上の猫たちが住んでいました。 その中之島公園が再整備工事のために、2007年11月1日から閉鎖されました! 私や仲間たちを可愛がってくれていた人たちは、誰も入ることが出来なくなり、閉鎖された公園内に取り残されたのです。 中之島公園はその名の通り、川に囲まれた島… 移動もできない私や仲間たちは、お腹が減ったり、病気が蔓延したり、工事車両で事故にあったり… そんな悲しい運命を辿るところでした。 そんな時、私たちのことを心配した人たちが関係各所に一生懸命お願いをしてくれました。 その中には、秘書たちもいました。 仕事の合間に公園に来ては私たちを眺めているだけの、保護活動とは無縁だった秘書たち。 でも、公園内に取り残された私たちを見て、胸が潰れる思いだったそうです。 70匹の猫たちを保護出来るだけの経済的な余裕も時間も体力もない… もちろん、知恵も経験も権力も人脈もないうえに、秘書たちは京都市在住… 自分たちにできることは何なのか? どうすれば、あの猫たちは救われるのか? 無我夢中で関係各所にお願いをしながら、自問自答を繰り返しました。 協力してくれる人はいるのか? 保護する場所はどうするのか? 費用はどうする? 人慣れしていない猫たちをどうやって捕まえる? 不妊・去勢手術はどうしたらいいか? 里親さん探しは? 里親さんが見つからなかったときは?… 初めての保護活動に、秘書たちは次から次へと問題にぶち当たりました。 そして、パズルのピースを探すかように、1つずつ問題を解決する方法を模索し続けたそうです。 秘書たちにとって大きな転機は、同じ意識の人たちに出会ったことでした。 それぞれ忙しい仕事を持ちながらも、同じように猫の命を大切に考えて行動できる人たち。 そんな人たちが集まって「中之島公園猫対策協議会」が設立されました。 何度も何度も諦めずに関係各所に交渉し、具体的な企画を提案し続けた結果、 公園事務所の方たちの理解を得ることができ、「再整備工事を円滑に進めるため」という条件付きで 「猫の部屋」と呼ばれる飼養場が誕生しました。 そして、動物愛護団体さんや物資を支援してくださる人たちなど、たくさんの方の協力に恵まれ、 公園に取り残されていた私や仲間たちは命を繋ぐことができました。 「猫の部屋」がスタートしてから、多くの仲間たちが優しい家族に出会い、幸せな「家猫」になりました。 「野良猫」と呼ばれていた仲間たちにも、明るい未来は拓かれたのです。 今まで、個人の善意に甘えてばかりだった野良猫問題。 多くの猫を引き取って、一人で苦労されている方がどんなにたくさんいらっしゃることか… 個人の力だけでは、すぐに限界がやってきます。人にも、猫にも負担が大き過ぎます。 環境省が処分される犬猫の数を減らす方針を打ち出している今日、行政、団体、企業、個人、いろいろな立場で責任と負担を分担し、協力して取り組むシステムが必要なのではないでしょうか。 「中之島公園の猫たち」の活動は、行政と一般市民とが協働で取り組むことができる一つの形であると思っています。 そして、それは「小さな命を守りたい」という同じ気持ちを持つ普通の人たちが、一丸となって問題に立ち向かってきた結果生まれたものです。 【2010年11月11日 追記】 大阪市の平松邦夫市長(当時)は「中之島公園の猫たち」の活動を、正式な市民協働の取り組みとして認めることを記者会見で公表してくださいました。 工事期間中の特別措置だった「猫の部屋」存続も決定し、今後は正式な形で活動を行うことができます。 また、この中之島公園から生まれた市民協働の形を目指し、大阪市内の各公園で行政と市民とが協働して野良猫対策を行う「公園ねこ適正管理推進サポーター制度」ができると発表されました。 この三年間の軌跡が、他の公園にいる野良猫たちの未来を切り拓くきっかけになったのです。 私や秘書たち、「猫の部屋」を守る人たちは、仲間たち全員が幸せな猫生を全うできるよう、これからも頑張っていきます。 また、新たに加わる範囲でも公園事務所との協働で活動を続けていきます。 そして、この三年間で築いた「中之島方式」と呼ばれる活動の在り方を、今から始まる各公園の参考にしていただけるよう伝え続けていきたいと思っています。 いつか中之島公園から大阪市全域へ、関西全域へ、そして全国へ… この国に暮らす野良猫たちすべての未来を切り拓く、ひとつのきっかけになれることを願っています。 大阪市HP「公園猫適正管理推進サポーター制度」について
詳細は、こちらをご覧ください。 なお、住宅地や地域で管理する場所には 「所有者不明ねこの適正管理推進事業(街ねこ)」制度があります。 「公園猫サポーター制度」と「街ねこ制度」は、担当する大阪市の部署が異なります。 お問い合わせの際には、くれぐれもご注意ください! ↑↑ 今までの詳しい経過は「中之島公園猫対策協議会」HPをご覧ください ↑↑ 「中之島公園猫対策協議会」では、 現金及び現金に代わる商品券などのご支援は、 協議会発足時からの方針により、すべて辞退しています。 また、大変申し訳ありませんが猫の保護依頼につきましては対応しかねます。 事情をお察しの上、ご理解いただければ幸いです! 当ブログはフリーメールを使用しています。 お手数ですが、必ずフリーメールを受けとれる環境にしてからお問い合わせください。 いただいたメールには必ずお返事していますので、どうかよろしくお願いします。 お問い合わせはこちら
© Rakuten Group, Inc.
|